グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETFについて

新型コロナウイルスの感染拡大に端を発したコロナショックにより世界中の株価は大暴落しましたが、各国の大規模な金融緩和、財政出動が効を奏し、8月にはS&P500指数が市場最高値を更新、日経平均も23000円台まで回復するなど、株式市場は上昇基調を続けています。
一方、REIT市場の回復は遅く、コロナショック前に2200ptを超えていた東証REIT指数はコロナショック時に半値まで暴落後、9月末時点で1700pt台にとどまっています。これは、EC(電子商取引)需要の増加の恩恵を受けた物流施設特化型REITなどがコロナ前の水準を上回っているのに対し、需要がなかなか戻らないホテルや商業施設特化型REITの回復が遅いことが原因と考えられます。
そうした中、2020年8月26日に、物流施設を投資対象とするETF(グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF、証券コード:2565、以下ロジスティクスETF)が新規上場されました。ロジスティクスETFの特徴や構成銘柄を表1、2にまとめました。より詳細な情報が知りたい場合は、投資目論見書等をご覧ください。

表1. グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF(2565)について

特徴 信託財産の1口当たりの純資産額の変動率を「東証REIT物流フォーカス指数(※)」の変動率に一致させることを目的として、不動産投資信託証券(REIT)に投資
対象指数 東証REIT物流フォーカス指数
投資対象地域 国内
決算日 毎年2、4、6、8、10、12月の各24日
信託報酬 年率0.649% (税抜0.59%)

※東証REIT物流フォーカス指数:
東京証券取引所に上場する全ての不動産投資信託のうち、物流施設への投資に特化したREIT、
および物流施設を投資対象とするREITにより構成される指数。2020年7月3日を基準日とし、
その日の指数値を1,000として計算。原則として7月末に指数構成銘柄および構成比率を見直し。

表2. 構成銘柄

証券コード 銘柄名
2979 SOSiLA物流リート投資法人
3249 産業ファンド投資法人
3281 GLP投資法人
3283 日本プロロジスリート投資法人
3292 イオンリート投資法人
3462 野村不動産マスターファンド投資法人
3466 ラサールロジポート投資法人
3471 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人
3481 三菱地所物流リート投資法人
3487 CREロジスティクスファンド投資法人
3493 伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人
8954 オリックス不動産投資法人
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人
8967 日本ロジスティクスファンド投資法人
8984 大和ハウスリート投資法人

 

先ほど、物流施設特化型REITはコロナ前の水準を上回っていると述べましたが、東証REIT物流フォーカス指数の年初来の値動きを表示したのが図1のグラフになります。参考情報として、東証REIT指数や日経平均、個別REITも合わせて表示しています。グラフ中の3283、8985、8953はそれぞれ、物流特化型、ホテル特化型、商業施設特化型の個別REITです。
※年初を100として標準化
※東証REIT物流フォーカス指数は2020年7月3日から算出・公表されたため、それ以前のデータについては、指数構成銘柄の時価総額を用いて簡易的に算出

グラフからわかりますように、東証REIT物流フォーカス指数や日経平均はコロナショック前の水準まで回復しており、物流特化型REIT(3283)に至ってはコロナショック前の水準を大きく上回っています。一方、東証REIT指数やホテル特化型REIT(8985)、商業施設特化型REIT(8953)はコロナショック前の水準を大きく下回ったままです。

図1. 各指数、および個別REITの値動き

今回ご紹介したロジスティクスETF は表2からわかりますように、15銘柄のREITに投資されているため、個別REITへの投資に比べリスクを分散させることができます。また、REITは利益の90%以上を分配するなどの一定の条件を満たせば法人税がかからないため、高い分配金利回りが期待できます。ロジスティクスETFを構成するREITの分配金利回りが概ね3%~4%であることから、ロジスティクスETFの分配金利回りもそのあたりの水準になるのではないでしょうか。(上場後初の決算日は10月24日の予定)
コロナウイルスの感染拡大がなかなか収束せず、巣ごもり消費の傾向から物流関係は今後も有望とみられています。ただし、信託報酬が年率0.649% (税抜0.59%)と、ETFの中では相対的に高い(※東証REIT指数に連動するETFの信託報酬は0.2~0.3%程度)ことには注意が必要です。

(参考情報)
グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF
東証REIT物流フォーカス指数


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