前週末のイエレン議長、フィッシャー副議長の発言を受けた円安から株高に(2016年9月1週)

20160902 kabu

今週の株式市場

今週の日本株は円安ドル高を受け強い展開となりました。

前週末のジャクソンホール会合で、イエレン議長が「労働市場が継続的に堅調であることや、経済活動やインフレの見通しから、ここ数か月で利上げの論拠が強まったと思う。」と発言したことや、フィッシャー副議長が「8月の雇用統計を注視し、内容が良ければ9月の追加利上げもあり得る」と示唆したことなどから、ドル高展開となりました。黒田日銀総裁も量、質、金利のいずれについても「追加緩和の余地は十分にある」と指摘し、円安ドル高の流れを作りました。

ドル円は木曜日の夕方には104円台に乗せる場面もありました。それと同時に日経平均先物(日本株の取引時間は終了していた)は、17,000円に乗せましたが、その後発表された米ISM製造業指数が49.4と弱かったことから、ドル円は103円前半まで急落し、日経平均先物も再び17,000円を割込んでの推移となりました。日経平均株価は前週末比+3.45%の16,925円で取引を終えました。

セクター別は全銘柄が上昇しました。上昇が大きかったのは銀行、証券・商品、海運、上昇が小幅だったのは小売り、精密、情報通信となりました。銀行株は長期金利の低下幅が縮小したことから、利益が大きくなる見通しを要因に買われました。

20160902 sector

スタイルインデックスでは、バリューや大型の上昇が目立つ一方で、小型株やグロースの伸びが今一つとなりました。金利の上昇からREITは若干売られました。

経済指標では日本の小売売上高は(7月・前月比)は1.4%と良好な値となり、鉱工業生産(7月・前月比)は0%と予想を下回りました。法人企業統計では、設備投資(2Q・前年比)が3.1%と予想を下回り、企業収益は-10%、企業売上高は-3.5%と今一つの結果となりました。米国のISM製造業指数(8月)は49.4と予想を下回りましたが、消費者信頼感指数(8月)は101.1と伸び、ADP雇用統計(8月)は17.7万増(前月分17.9万増→19.4万人増)など良好な値も目立ちました。

来週以降の見通し

今晩発表の米国の雇用統計が注目されます。非農業部門雇用者数の値が3ヵ月連続で20万人に乗せるようであれば、9月利上げがイメージされ、為替はドル高に動き、米株は若干弱く、日経先物は強い動きが想定されます。そして日曜日からはG20サミットが開始されます。中国の財政省の時間が「中国は財政政策が「より積極的な」役割を担うことを望んでいる」と述べているようです。前回のG20でも財政政策の積極化が議論されたようですが、全体的に実施するということには合意できていません。これまで、特に目立った決定をして来なかったG20で、何らかの方針が決められるのか注目されるとともに、財政政策の増加が決定されれば、世界的に一段の株価の上昇が見られるでしょう。

20160902 indexs

本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。

光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です