クリスマス、三連休を前に利食い優勢の展開に(2016年12月4週)

今週の金融市場

三連休を前に日本株は利食い優勢の展開となり、日経平均株価は前週末比+0.14%の1万9,427円と小幅な上昇にとどまりました。週央に日銀政策決定会合の結果が発表されましたが、予想通り政策に変更はなく、特に市場に影響を与えることはありませんでした。

セクター別では陸運、食品、医薬品など、トランプ氏が米国の大統領選挙後、上昇幅が小さかった内需ディフェンシブの上昇が目立ちました。下落は海運、その他製品、証券・商品でした。海運は運賃の下落が大きく影響し、その他製品は任天堂が、スマホゲーム発表後、売りが継続していることから下げ幅が広がりました。

スタイルインデックスではREIT指数と東証2部指数が上昇上位となりました。REIT指数は米国の金利上昇が一段落したように見えるため選好されました。下落率トップは前週上昇率トップだったマザーズ指数となりました。多くの銘柄で高値期日を超えてきているものの、年末の損出しの売りが足を引っ張っているようです。

日銀政策決定会合

日銀政策決定会合は予想通り現状維持でした。そして景気の総括判断を「緩やかな回復基調を続けている」と小幅に上方修正しました。会合後の会見で黒田総裁は、金利に関しては「海外の金利が上がったからと言って、国内の金利が上がっていいとは全く思わない」と述べ、為替に関しては「為替は、今年2月の水準であり、驚くような水準だとは思っていない」と述べました。

イタリアの銀行の経営不安の拡大

以前から不安視されている、イタリアのモンテ・パスキですが、増資の失敗の可能性が高まっています。不良債権を抱えそれを処理できておらず、資金も思いの外早くなくなるとの観測も出ています。公的資金投入はイタリア議会で賛成多数で承認されていますが、EUの銀行再生・破綻処理令が障壁となるようです。EUのルールは投資家にある程度の損失負担を求めるものですが、その辺りをどうするかが問題となり、迅速な処理ができない可能性がささやかれています。

イタリア政府はモンテ・パスキ株の50%以上を財務省が取得する可能性との報道も出ており、案外週末までに解決する確率もあるようです。

今後の見通し

今年も残すとことあと一週間となりました。今年は1,2月に中国経済に対する懸念からの株安、6月にはBrexit、11月には米大統領選でトランプ氏が勝利し、当初トランプショックと呼ばれ日本株は暴落したものの、それは一日だけで、その後はトランプラリーとなり、日本株は年初来下げを取り戻すという何とも激しい展開の1年となりました。

来年は独、仏、オランダで大統領選挙があり、中国では共産党大会があり、Brexitが実際どのように行われるかも決定されます。また、1月20日にはトランプ氏が米大統領に就任し、実際に政策を実行して行くことになります。国際関係も一段と複雑化するため、市場のボラティリティは一段と上昇する可能性もありますが、値動きがある分、収益機会が多い相場となるでしょう。

本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。

光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です