ウィークリーレポート(2022年3月11日)

3月の第2週の日経平均は▲3.11%と4週続落となりました。NYダウも▲0.86%と株安が止まりません。

週明けは多くのイベントが集中しており、非常に神経質な展開が予想されます。
月曜日は、3/12の対ロシアSWIFT制裁が発動、3/13の米国サマータイムが導入直後の最初の営業日ということもあり金融機関のバックオフィスが神経質となります。
3/16にはFOMCが開催されます。先立って開催された3/10のECB理事会では、市場が期待していたウクライナ危機/ロシア制裁による金融機関へのショック緩和のシグナルはなく、むしろエネルギー価格高を背景としたテーパリング加速というタカ派な結果でした。FOMCも同様に、資源価格高へ対応したインフレ抑制/金融引き締め色の強い内容となりそうです。
一方で、3/18には日銀金融政策決定会合が開催されますが、こちらは足元の物価上昇率も2%目標未達と言う事から現状の大規模緩和維持が予想され、日米金融政策の方向性の違いから、週末に116円80銭の5年ぶり高値を付けたドル円は円安傾向を強める可能性があります。

FOMCと同日の3/16にロシア国債の利払い日があります。いくつかの金融機関では担保価値としてはすでに0%へとされ、大手格付け会社もジャンク級に格下げたロシア国債ですが、改めてデフォルトとなるとCDS(デリバティブ商品)のトリガーともなり、もう一波乱悪影響が及びそうです。

目先、株式市場には明るいニュースは全く見当たりませんが、ここひと月の株価下落で、予想EPSの平均値から1σマイナスのライン(25580円)を割り込みました。このラインを割り込むと年金等長期資金での買いが見られ、今回は、4月から運用を開始する大学ファンドの買いが報じられています。

(日経新聞)日本株に「クジラ買い」観測 大学ファンド、運用開始か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0961Y0Z00C22A3000000/

また、最終週には配当の再投資もあり、日本株は年度末に向けて需給改善が見込まれます。

2018年のFRBの資産圧縮局面で起きた株価の下落と、今回のS&P 500の下落パターンが類似しており、穴このまま同じ動きをトレースするならS&P500 1/3 4796pt × 0.80 = 3836ptが安値となります。同様の下落率を当てはめると日経平均では23500円となり、3/16のFOMCで株安となるならここを当面の安値目途としたいです。


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