ウィークリーレポート(2019年5月17日)

令和に入り連休前から通算で7連敗を記録した日経平均ですが、トランプ大統領の米中貿易協議への楽観的なツイートを手掛かりに、水曜日に反発、ひとまずは下落一服という形にはなりました。さて、トランプ大統領は株価が下がると楽観的な発言を繰り返しますが、現実問題として米中貿易協議は難航しており、また、関税の引き上げは実際に行われたわけですから、少なからず実体経済に影響が出てくるものと思われます。

早期に貿易協議が合意に達し、関税が撤廃されることが望ましいわけですが、米国側は知的財産権の保護が確認できるまで関税を継続する事を望んでいるなどと報道されており、合意が仮に成立してもすぐさまバラ色の好景気へ、とはいかないようです。

(Bloomberg) 中国、最悪シナリオで成長率6%割れも-米中貿易摩擦が深刻化https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-17/PRMNWJ6JIJUQ01

関税の影響については様々なエコノミストが悲観的な予想を出しており、当面は中国関連の景気指標と7月に公表予定のIMF世界経済見通しの改定値に注目です。

5/31 中国5月製造業PMI
6/10 中国5月貿易収支
6/9~6/12 日本5月工作機械受注
7月 IMF世界経済見通し(7月改定版)

悲観的な経済見通しに対して、日本市場はすでに日経平均7連敗と売りで反応しており、また、高水準の裁定売り残高、アベノミクス以降最低水準の海外投資家の持ち高、さらには日銀によるETFの買いと需給的には下げ方向に走りにくい環境となっています。

多くの投資家が株式ウェイトを下げたところへ、冒頭のように楽観的な大統領発言がくることでロスカット的な買い戻しが起こるなど、アップサイドとダウンサイドとの反応が逆転してきている印象です。
中期的に株価下落の可能性は高いと考えますが、予想以上に強い買い戻しなどに振り回されないよう、上下逆さまにしたチャートを眺めながら対応するのもよさそうです。

図A.関税引上げ前後の日米中の株価推移(関税引上げ日=100で基準化)


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