JGBトレーディングフロア(2024年9月24日)

債券相場は大幅高。日銀による早期の追加利上げ観測が薄れ、長期金利は1カ月超ぶりの水準に低下した。20日の植田総裁会見での発言に続き、この日の大阪経済4団体共催懇談会の講演でも追加利上げを急がない姿勢を示したことで買いが優勢となり、長期金利指標である新発10年債利回りは1カ月超ぶりの水準(0.805%)に低下した。またこの日の流動性供給入札の結果が堅調だったことも相場のプラス要因となったようだ。日銀は10月のサービス価格改定の影響や、また来年の春闘に関する情報を十分に得られるまでは、基本的にはハト派的なスタンスになるとの見方。

【メモ】
流動性供給入札(414回、残存期間1年超5年以下)落札結果
募入最大利回り較差 -0.041%、募入平均利回り較差-0.043%、応札倍率3.81倍(前回3.26倍)


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2024年9月20日)

9月第3週の日経平均は+3.12%の上昇。NYダウ+1.62%、ユーロストックス50+0.57%と欧米市場も上昇となりました。
9/19のFOMCでは50bpの利下げが発表され、初動では円安となり、9/20の日銀政策決定会合で追加利上げの手がかり無く据え置きとなったことも後押しし、ドル円為替レートは前週比3円安の143.85円となりました。
日銀政策決定会合では利上げ無しの据え置きが発表され、植田総裁の会見後に円安/株高が進行しました。

アノマリーでは、FRBの利下げは米国のリセッション入りとセットになっており、今後、大きな株安局面を示唆するものとして記事にされます。実際に、2001年の利下げ(ITバブル崩壊)、2007年の利下げ(サブプライムバブル崩壊)などリセッション入りのタイミングで利下げが行われていますが、一方で、1995年、1989年、1984年、1980年の利下げ局面ではその後1年間で20%超の上昇となっており、時代によってアノマリーは異なるものと思われます。
また、新興国通貨のメキシコペソを見ると、1995年、2007年の利上げ時にはペソ高となっている一方で、1995以前はドル高ペソ安となっており、やはり時代によってマーケットのリアクションは異なります。
1990年代後半以降を低インフレ時代として区分けするならば、FRBの利下げが株安になるのは低インフレ時代で、高インフレ時の物価抑制のための利上げ幅を縮小する限りにおいては決してリセッションとイコールではないと言えるかもしれません。
FRB利下げで株高となった、1980年、1984年、1989年、1995年の日経平均を見ると、向こう半年で42500円までの上昇が見込まれます。

上述の、米国経済がソフトランディングを果たし株高となっていくシナリオですが、リスクファクターとしては、インフレの再燃が考えられます。1970年代のオイルショック時も、突発的な外的要因ではあったものの2回の危機に見舞われており、今回も2022年のインフレ率のピークから2年経ち、FRBだけでなくECBや各国の中央銀行が利下げに転じている中ですので、何かの拍子にまた物価上昇率が加速しやすい下地を作りに行っているように見えます。とは言え、インフレの再燃とその認識には数か月以上の時間軸がかかるので、当面は潜在的なリスクよりも、利下げによる景気拡大の恩恵を先取りする環境になるのではないでしょうか。

メモ:ハイイールドスプレッドは3.23%までさらに縮小


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JGBトレーディングフロア(2024年9月20日)

債券相場は下落。日銀が会合後の声明文で消費についての判断を上方修正したことを受けて売りが優勢になった。また15時半からの植田総裁会見でタカ派的な発言をすることへの警戒感も強かった。秋にかけて賃金と物価の好循環が続くかどうかの材料が出そろうため、早ければ12月に利上げが行われる可能性があるとの声が聞かれた。その後、植田総裁会見では先行きに対して慎重なトーンだったことで、先物が夜間取引で買い戻され終値から40銭ほど上昇している(18:00現在)

【メモ】
☆植田総裁会見要旨(出所:Bloomberg)
<金融政策>
実質金利が極めて低いことを踏まえると、日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく / データがオントラックなら利上げということに変わりはない / 米経済をはじめ先行き不透明感が強く、市場も引き続き不安定な状況にあり、極めて高い緊張感を持って注視し、経済・物価の見通し実現の確度をしっかり見極めていく必要がある / 円安に伴う輸入物価の上振れリスクは相応に減少、政策判断に時間的な余裕がある / 米国をはじめ海外経済の先行きを巡る不透明感が昨今の金融市場動向の背景にある / 特定のスケジュール感を持って、ここまでにという予断は持たない / 米国のソフトランディングシナリオに近い状態が実現するのか、もう少し厳しめなのか、丁寧に見極めていきたい / 特定の会合について政策変更があるかないか事前に言うのは避けたい / 毎回の会合で、前回会合後に出たデータや情報に基づき、見通しの確度とリスクを判断して決定する姿勢に変わりはない

<物価情勢>
8月のCPIは少し前に見ていたより強め / コメや一部輸入財がこれまでの円安もあり値上がりしているが、こうした一時的要因は今後消えていくものがあり、物価に下落圧力を加える / 一方で、サービス価格の一部に賃金上昇を転嫁する動きも見られ、これらは引き続き物価に上方圧力を加える

<今後の注目点>
賃金上昇が秋以降も続くか、最低賃金引き上げの影響が出てくるか、サービス価格への転嫁が続くか、来春闘に向けた動きに加え、サービス価格を決める大きな要因として消費が堅調であることも必要だ / 10月のサービス価格改定、賃金動向反映されるか強い関心

<中立金利>
利上げ2回行ったが、恐らくまだ中立金利より低い状況


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JGBトレーディングフロア(2024年9月19日)

債券相場は下落。米FOMCでは50bspの大幅利下げとなったが、パウエルFRB議長がその後の会見で先行きの利下げを急がない姿勢を示し米金利が上昇、国内債もその流れを引き継いだ。ここもと大幅利下げを警戒して、超長期中心に買われていた流れの巻き戻しとなりイールドカーブはスティープ化した。先物も8月中旬以降の中心レンジに再び押し戻された形。ただ明日に日銀政策決定会合結果と植田総裁の会見を控えており、売り一巡後はもみ合いとなった。またこの日の流動性供給入札も、無難に通過した。

【メモ】
☆流動性供給入札(413回、残存期間5年超15.5年以下)落札結果
募入最大利回り較差 +0.017%、募入平均利回り較差+0.013%、応札倍率2.95倍(前回3.10倍)


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JGBトレーディングフロア(2024年9月18日)

債券相場は小幅高。FOMCの結果を今晩に控えてポジションを大きく傾けにくい中、前日の米長期金利が小幅上昇した流れを受けて小安く始まるも、この日の日銀国債買い入れオペでの需給の引き締まりが警戒され、買いが優勢だった。オペ結果は、長めのゾーンの応札倍率がやや低めとなるも、極端な需給の偏りは見られず、先物は、取引終盤にかけて上げ幅を縮めた

【メモ】
☆日銀買入オペ1-3年3500億円、3-5年3750億円、5-10年4000億円、10-25年1500億円。
応札倍率は、それぞれ3.30、2.42、1.57、1.63倍。


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