ウィークリーレポート(2024年6月14日)

6月第2週の株式市場は、日経平均+0.34%の続伸、NYダウは▲0.54%と反落となりました。
欧州議会選挙で右翼政党に大敗しマクロン大統領が国民議会(国会下院)を解散したフランスのCAC40指数は▲6.23%と大幅下落し、年初来マイナスに。フランス株安につられる形でドイツ他欧州株もや安く、ユーロストックス50▲4.20%はと大幅下落し、VSTOXX指数は前週比+6.58ptの19.86ptへ跳ね上がっています。過去の経験上、ボラティリティ指数が多きく跳ねた際は、他の地域に伝播することが多いため、今月末6月30日に行われるフランスの解散総選挙と来月7月7日の決選投票の行方次第では荒れた展開となりそうです。

フランス議会 解散選挙へ 欧州議会選 極右政党 大勝の見通しで | NHK | フランス
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240610/k10014475971000.html

一方で、NASDAQ総合指数は下落する欧州株をよそに3.24%と大幅に続伸しており、米国10年債利回りも21bpの大幅低下になるなど、現時点ではグローバルに資産価格が下落するといったリスクオフではなく、あくまで欧州⇒米国/その他地域へのアローケーションの変更にとどまっているように見えますので、過度の警戒は必要ないように感じます。

さて、FOMCで公表されたドットマップでは年内利下げが1回と減少も来年3回と増え、朝三暮四の見通し変更でしたがマーケットはボラティリティが低下し好感的に受け止めたようです。また、翌日のPPIが前月比▲0.1%と市場予想に反してマイナスとなったことからも利下げ観測を強めこととなり、米国10年債利回りは前週比20bpの4.22%と大幅に金利が低下しました。
日銀政策決定会合、事前報道と異なり次回会合(7/31)で”相応の規模”の国債買い入れ減額を示すにとどまったことから債券は上昇(金利低下)、ドル円は一時158円を超えて円安進行しました。会合後の記者会見では、”7月会合までの情報次第で短期金利引き上げは当然あり得る”との発言もありましたが、米国金利の低下、日銀の引き締めにもかかわらず、足元では継続して円安が進行しておいます。1990年の高値を抜けるとプラザ合意前の円安水準までテクニカルなチャートポイントが無いことから、当時の高値160円20銭が意識されており、これを抜けると一気に円安が加速しそうです。
トレードアイデアとしては為替に敏感な株式という手もありますが、円安にベットするにはやや迂遠に思えますので、米国債買いがシンプルで分かりやすくよいです。

株式市場では、引き続きETFの分配金捻出売りを念頭にカバードコールが良さそうです。また、対米国株でのパフォーマンスで、TOPIX売り/米株ETF買いという手もよさそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

JGBトレーディングフロア(2024年6月14日)

債券相場は大幅高。日銀がこの日の金融政策決定会合で長期国債買い入れの減額方針を決めた上で、今後1-2年程度の具体的な減額計画は市場参加者の意見を聞いて次回会合で決めると発表したことを受け、目先の需給不安が後退し買いが優勢となった。植田総裁はかねてより「国債買い入れは能動的な政策手段として用いない。政策的に動かすと市場で投機的な動きを引き起こし、政策運営が困難になるリスクがある」と述べており、今回の政策では長期金利の上昇や為替相場の円安変動をおおむね抑えることに成功したようだとの声も聞かれた。ただ一方で、7月の会合に向けて「その時までに出る経済、物価に関するデータや情報次第で、短期金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整することは当然あり得る」とも述べており、今回の決定による金利低下は長く続かないとの見方も少なくはないようだ。

【メモ】
☆植田総裁会見(出所:Bloomberg News)
【7月利上げ観測について】
* その時までに出る経済、物価に関するデータや情報次第で、短期金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整することは当然あり得る

【国債買い入れ】
* 減額する以上、相応の規模になる。
* 金融市場の安定に配慮するため、柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切。
* 長期的に望ましい状態に1-2年では到達できない。
* 国債買い入れは能動的な政策手段として用いない。政策的に動かすと市場で投機的な動きを引き起こし、政策運営が困難になるリスクがある。
* まず1年間分についてスケジュールを大まかに示すことができないかという判断に至った。市場参加者の意見なども伺って丁寧に進めたい。 
 
【円安】
* 最近の円安の動きは物価上振れ要因であり注視している。

【長期金利が一時1.1%まで上昇したことについて】
* 長期のインフレ期待がそこそこ上昇しているため、長期の実質金利もかなり低く、まだマイナスなので、十分緩和的だ。など。


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JGBトレーディングフロア(2024年6月11日)

債券相場は上昇。前日に大幅下落した後の反動で買い戻しが入った。この日の流動性供給入札が順調な結果となったことも下支えとなったようだ。ただ週末に発表される日銀の金融政策決定会合結果に加え、その前には米5月CPIや米FOMCを控える他、また13日には先物6月限の取引最終日を迎えるなどイベント目白押しで、様子見姿勢が強いようで上値も限定的だった。

【メモ】
☆流動性供給入札(407回、残存期間5年超15.5年以下)落札結果
募入最大利回り較差 -0.015%、募入平均利回り較差-0.017%、応札倍率3.45倍(前回3.02倍)


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JGBトレーディングフロア(2024年6月10日)

債券相場は下落。先週末の米雇用統計が予想を上回る強い内容となり、米長期金利が大幅に上昇したことを受けて売りが優勢だった。米国の景気減速を示唆する指標が続き、早期利下げ観測が台頭していたことから、米金利の反応は大きくなったようだ。国内債についても、国債買い入れの減額や追加利上げを示唆することへの警戒感が漂う中、米金利の低下基調がここもとの相場上昇につながっていたことから、一気に巻き戻された形となった。ただ今週は米FOMCや日銀の金融政策決定会合を控えてポジションを傾ける動きは限定的で、売り一巡後は小幅な動きとなった。

【メモ】
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ウィークリーレポート(2024年6月7日)

6月第1週の株式市場は、日経平均+0.51%、NYダウは+0.29%と反発、ユーロストックス50+1.36%と3指数とも反発となりました。
週末に発表された米国雇用統計では雇用統計は市場予想+180Kに対して+272Kの大幅な雇用者増となり、それまで年内おFRB利下げ期待を織り込んでいた債券市場は反落、10年債利回りは+14bp上昇となりました。週間ではそれまでの利下げ期待で下げていた部分が大きく、10年債金利は6bp低下し4.43%となりました。

週末の雇用統計はサプライズでしたが、一週間を振り返ると年内のFRBの利下げの思惑から株高となりS&P500とNASDAQは最高値更新となり、ゴルディロックス相場の様相となっています。
週明けのFOMC(6/13 早朝)、6/14日銀政策決定会合とイベントウィークになります。FOMCに関しては、6月会合での利下げは織り込まれておらず、9月以降の会合での利下げへの言及の有無が焦点となりそうです。FOMCに先立ち6/12(火)の5月CPIの発表がありますので、ここでもさらにボラタイルな展開となりそうです。

一方、日銀政策決定会合については、6/4(火)に国債購入減の観測報道が流れましたが、インパクトは一時的で、その後の米国債券市場の利回り低下に追随する形で、米国雇用統計前の時点で週間ベース9bp低下の0.976%となっていました。海外金利の動向につられる形で、日本市場の独自の動きはなく、生産政策変更可能性の織り込みは不十分に見えますので、仮に大幅な減額が提示されるなら大きくなネガティブ方向へのサプライズとなります。

前週のレポートで述べた日経先物のカレンダースプレッドは、前週比▲2円の▲11円に落ち着きましたが、依然として高止まりしており、長期投資家の買いロールの裏で短期筋がショートに回っているようならば、SQのスクイーズが期待できますが、SQ後は6月下旬に向けて毎年恒例のETFの分配金捻出売りが意識され、一転して、上値の重い展開も予想されます。昨年は計1兆1600億円と推計されていました。

(Bloomberg)日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJJB3DWRGG000

FRBの利下げ期待による米株高と、ETFの分配金捻出売りに挟まれ、引き続き方向感の乏しい相場が予想されますので、6月限の運試しコール買いはともかく、7月限はカバードコールが良さそうです。


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
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