地政学的リスクを意識し弱い展開に(2017年4月7日)

株式市場概況

地政学的リスクを意識し、日本株は弱い展開となりました。TOPIXは前週末比-1.51%の1489.77ポイント、日経平均株価は前週末比-1.29%の18,664ポイントで取引を終えました。両指数とも年初来安値を更新する動きとなりました。リスクが意識され始めたのは、トランプ大統領が北朝鮮に関して「北朝鮮の核の脅威を取り除くために、米国が単独行動を採る」との発言を行ったことでした。その後、日本に戻っていた日本の駐韓大使が韓国に帰任したことが「有事の際の対応を考慮しているのだろう」という見解を生じさせ、防衛関連銘柄へと物色の手が伸びるとともに、日本株は弱い展開に転じました。

そして7日金曜日には米国が、毒ガスを使用したシリアに対し、59発のトマホークを打ち込んだことから、一時日経平均で18,500円つける場面もありましたが、株価は反転し底堅い動きとなりました。

セクター別では原油価格が上昇したことから鉱業が続き、それに内需関連の小売、食料品、情報通死因が強くなりました。下落が大きかったのは鉄鋼、銀行、輸送用機器とトランプラリーで好んで物色されていたセクターが売られました。

スタイルインデックスは全てが下落しました。値下がりが大きかったのは1-3月期に高パフォーマンスを見せた小型株の指数であるマザーズ、東証2部、TOPIXスモールでした。


日本の経済指標では日銀短観が発表され、大企業製造の現況DIが12、先行きDIが11、非製造業の現況DIが20、先行きDIが16、設備投資が+0.6%となりました。設備投資の減少が気にかかるところですが、それ以外は堅調です。

米国では自動車販売が減少しており、それが要因で自動車株が弱含みました。米国では自動車ローンがリーマンショック前の水準を超えており、自動車に潜むバブルが少々懸念されており、自動車株は手が出しにくい状況にあります。週末の雇用統計の前哨戦である2月のADP雇用統計は26.3万(前月+29.8万→24.5万)と予想を上回りました。

 

今後の見通し

今週の注目は米中首脳会談だったのですが、シリアへの爆撃で一気にそちらへと注目が集まりました。米中首脳会談では夕食を取りながら会談がスタートしましたが、トランプ大統領は習近平国家主席との間に「友情が生まれた」と語ったと報道されています。貿易黒字と北朝鮮情勢に関してどのような話が進むかは、明日の朝の報道までは分からない見通しです。また、夕食後に米軍がミサイルを発射したことから、今晩の会談が見通しにくくなっています。優位に階段をすすめようとするトランプ大統領に対して、習国家主席がどのように対応するかも見所です。

今週はロシアでのテロもあり、地政学的リスクが強く認識された週でした。幸い、米国はシリアへの爆撃を一回限りのものだとしており、そうであるなら、株式市場の混乱は近く収まり、月央から月末にかけての企業の決算発表が良い買い場となるのではないでしょうか。


本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本 資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

JGBトレーディングフロア(2017年4月7日)

(10:10)
日銀買いオペ通告 TB、1-3年、3-5年、10-25年、25年超。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of170407.htm

(12:00)
落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170407.htm

(17:30)
米国のシリア空爆によるリスク回避の動きで債券は上昇、先物は引けにかけてほぼ1か月ぶりの150.60円を付けた。地政学的リスクの高まりで消去法的に買われている側面もあり、今晩の米国市場など引続き海外市場のの動向次第となりそう。
米雇用統計は、NFPが+18万人で前月から減少、平均時給は前月に続き0.2%の予想。

本日の国債利回り


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光世証券株式会社 
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JGBトレーディングフロア(2017年4月6日)

(17:30)
本日の国債利回り


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下落が継続し、指数は年初来安値を更新する(2017年4月6日)


株式市場概況
 TOPIX指数は前日比-24.48ポイント(-1.63%)の1480.18ポイント、日経平均株価は-264.21ポイント(-1.4%)の18597.06ポイントで取引を終えました。TOPIX、日経平均株価共に、今年に入っての最安値を更新しました。下落の要因となっているのは北朝鮮リスクや、昨晩発表されたFOMC議事要旨で株価が割高であるとの懸念が記されていたことでした。
 セクター別は鉱業のみが上昇となりました。下落率が大きかったのは鉄鋼、電気ガス、海運でした。スタイルインデックスではREITのみが上昇する一方で、第一四半期好調だった小型株指数、東証2部、マザーズ、TOPIXスモールの下落が大きくなりました。


 
マザーズ市場概況
 マザーズ指数は前日比-24.37ポイントの1011.63ポイントと下落して一日の取引を終えました。マザーズ市場の上昇銘柄数は12(5.3%)、下落銘柄数は212(94.2%)、変わらずは1(0.4%)、売買代金は前日比10億円の1119億円と前日比で増加しました。
上昇寄与度上位銘柄はそーせいグループ(4565、前日比510、終値11,170)、アイリッジ(3917、前日比225、終値4,320)、リボミック(4591、前日比29、終値779)、下落寄与度上位銘柄はジーエヌアイグループ(2160、前日比-57、終値796)、CYBERDYNE(7779、前日比-51、終値1,549)、アスカネット(2438、前日比-171、終値2,137)となりました。売買代金上位銘柄はそーせいグループ、アスカネット、ジーエヌアイグループでした。

マザーズ先物は前日比-30ポイントの983ポイントで一日の取引を終えました。出来高は1065枚でした。



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下落相場のお供 プットオプションの買い(2017年4月マンスリーレポート特集)

このところ相場の下落に備えたオプションの使い方を聞かれることが多くなっております。そこで話に上がるのはプットオプションの買いです。

オプション価格はボラティリティに大きく影響されるのですが、そのボラティリティが現在歴史的に低くなっております(低ボラティリティ=オプション価格が安い、高ボラティティ=オプション価格が高い、ボラティリティ水準は下のチャート参照)。そのため、非常に安く下落への備えであるプットオプションを買うことが出来ます。そのため、下落のヘッジとしてプットオプションをご利用いただくのが有利な状況となっています。

プットオプションの価格が株価の変動と共にどのように動くのかを下のチャートで示しました(ここでは日経225オプションを採り上げます。ボラティリティ=20%、権利行使価格18,000円)。青線が残り30日時点で原資産価格が変動した場合のプットオプションの価格、赤線が残り10日、緑線が残り0日時点での価格となります。

残り30日で日経平均株価が19,000円だったとします。その時、18,000円のプットオプションの価格は100円と、この場合計算されます。そのオプションを買い、当日中は株価が19,000円より下がるとプットオプションの価格が上昇し、株価が上昇すると低下します。

残り日数が0日(SQ)の場合、18,000円のプットオプションは日経平均株価が18,000円18,000以上なら価値は0円です。しかし、18,000円以下になると18,000-株価の価値が発生します。100円でオプションを購入したとすると、17,900円以下でポジションからは利益が発生することになります。

残り日数0日のプットオプションの価格は

プットオプションの価格>0の場合

プットオプションの価格 =権利行使価格 - 株価

プットオプションの価格<=0の場合

プットオプションの価格 = 0

と表せます。この価値は本質価値と呼ばれます。

残り30日や10日は残り0日の価格に、残り時間分の価値が足された価格となっています。

オプションの価格 = 本源的価値 + 時間価値

とあらわされます。オプションの価値は0よりも低くならないため、オプションを買うと損失限定のポジションとなります。

先物の買いとプットオプションの買いを組み合わせた場合

日経225先物を1枚保有し、先ほどの18,000円のプットオプションを100円で1枚買った場合の損益曲線を見てみましょう。下のチャートは

黒線:先物のみ19,000円で購入した場合の損益線

青色:先物を19,000円で購入し、残存30日の18,000円のプットオプションを100円で1枚買った場合の、損益線(残り30日)

赤線:先物を19,000円で購入し、残存30日の18,000円のプットオプションを100円で1枚買った場合の、損益線(残り10日)

緑線:先物を19,000円で購入し、残存30日の18,000円のプットオプションを100円で1枚買った場合の、損益線(残り0日)

となっています。オプションでヘッジを行った場合、ポジションは110万円以上(1,100円×1,000)の損失が出ないようになりました。その代り、株価が18,000円以上の場合の利益が10万円(100円×1,000)減少します。

下がった場合、利益が出るポジションにしたい場合

大きく下がった場合ポジションから利益が出るようにしたい場合、オプションを買う枚数を増やします。下のケースではオプションを3枚購入しました。コストが3倍となり、相場が動かない場合の損失は増えますが、相場が減少した場合、大きく利益が出ることが分かります。

ここでは日経平均先物を買いポジション例として扱いましたが、ある程度のサイズで分散されたポートフォリオをお持ちであれば、不完全ではあるもののヘッジを行うことが出来ます。


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