株式投信の長期保有のための先物活用法

投資信託の中から優れたファンドを探し出すのはなかなか難しいことです。もしそれが発見出来たとしても、長期的に保有する場合、優れたファンドであっても、市場の急落の際にはファンドの価格が下落することは避けられません。

この場合、株式市場の先行き見通しが悪化した場合に投信を売却してしまい、先行き不安がなくなる局面で同一の投信を買い戻し、再び優れたファンドからの収益を楽しむという方法が考えられます。しかし、投資信託は購入、銘柄によっては売却の際にも高い手数料がかかるため、普通株式などと同じような売買は、考えにくい選択肢です。

そこで「良いファンドを長期的に保有するために、先物を活用してみてはいかがでしょう?」というのが、今回のレポートの趣旨です。結論から先に述べると、先行きが不透明な場面で、先物と投資信託を組み合わせて利用することにより、相場が急落局面でも評価損益が大きくぶれることがなく、優れたファンドの長期保有が可能となります。

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ここからは足元の実例をご覧に入れます。ファンドには足元パフォーマンスが好調なニッセイJPX日経400アクティブオープン(以下アクティブオープン)を採り上げます。このファンドはJPX400をベンチマークとしながら、ROEに注目し、経営効率に優れた銘柄に投資を行います。アクティブオープンの過去の運用成績(緑)とJPX日経400(青)を比較したのが下のチャートです。

price_move

このチャートから二つのことが言えます。

① アクティブオープンは長期に渡ってJPX400指数を上回るパフォーマンスを出している。

② しかし、指数が大きく下落する局面で損失を出すことは避けられていない。

そこで、同ファンドのベンチマークであるJPX日経400指数先物で、ヘッジをどのくらい行えば良いか計算し、ヘッジを常に行ったもの(緑線)と、ヘッジなし(青線)のポジションの評価額の推移を下に表示しました。

hedged

注目していただきたいのは赤い丸で囲んだ部分です。ファンド価格が、市場の暴落と同じように、大きく下落してしまった局面ですが、先物でヘッジを行った緑線を見ると、先物の売りに守られて、収益にぶれは小さくなっています。このように先物でヘッジすれば、急落局面を大きな損失を被らずに乗り切れることが分かります。

この事例では常にJPX日経400先物を売り、アクティブオープンを買い持ちするという事例を表示しましたが、実際に行う場合であれば、市場が堅調であると考えられるのであれば、先物の売りを持たず、市場全体の上昇とファンドが生み出す利益を享受し、市場の先行きが不透明になった時に、先物による売りヘッジを行い、下落に備えても良いでしょう。

このように、先物をうまく活用することにより、自身のポートフォリオを相場の下落から守ることが出来ます。ヘッジの割合などを詳しく知られたい場合は、当社のコンサルタントにお尋ねいただくか、ブログ記事(マザーズ指数先物の活用法③ ヘッジ比率に関して http://kosei.co.jp/wordpress/?p=722)をご参照ください。

 

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