日経平均が7年ぶりの年足下落となった2018年は、年間を通して海外投資家は13兆円もの大幅売り越しとなりました。アベノミクスが始動した2013年の海外勢の買い越し額13兆円に匹敵する金額で、累積額でもアベノミクス以降の買い越し分を全て売り越した状況です。この間、日銀はETFを通した
裁定買い残は5578億円と2016年以来の低水準まで落ち込みました。また、信用売り残が7032億円と買い残を上回るのも2016年10月以来となります。
株式市場での需給はタイトになっており、2019年の株価上昇にとって好材料です。
一方、企業業績の方はというと日経平均EPSは史上最高水準にあるものの、米中貿易戦争による今後の業績悪化懸念が払拭できない状況です。1月3日にはiPhoneの中国販売台数の落ち込みが報じられると一時1ドル104円台まで円高が急伸するなど、リスクオフ方面への反応が過剰となる不安定な状況です。
年末年始の日本市場休場の間、NY市場は+1.23%の株高となりました。一方で、為替市場では年末から約3円(▲2.83%)の円高が進行し、CME日経平均先物は▲2.49%の19420円となっています。
大発会から大幅安となる水準で先行きが危ぶまれますが、2月中旬には多くの企業で第3四半期決算が出揃い、また、米中貿易戦争の交渉期限も近いことからある程度見通しが利くようになるかと思います。また、米中貿易戦争ばかりが注目を浴びていますが、その一方でTPPが昨年12/30に発効、また日欧EPAも本年2/1に発行予定と、明るい傾向もあります。
本年第1四半期まではリスクを意識する低調な地合いが続くかと思いますが、3月からは冒頭で述べた需給面も後押しし、株価上昇ステージ入りが期待できます。年間では下値18500からスクイーズ期待で高値27000円までを想定レンジとします。
表.年末年始の変化率(‘18年12月28日~’19年1月3日正午頃)