株式市場概況
欧米で金融緩和縮小が進むのではないかとの見通しが増加したことにより、これまで株価の上昇をけん引してきたハイテク株が世界的に売られる展開となる一方、金利の上昇や米銀ストレステストを全ての銀行がパスしたことから、配当や自社株買い期待から銀行株などが買われる展開となりました。TOPIX指数は前週末比+0.03% の1,611ポイント、日経平均株価は‐0.49%の20,033円で一週間の取引を終えました。
セクター別では値上がりが16、値下がりが17となりました。上昇率上位は鉄鋼、鉱業、非鉄金属と足元の上昇相場に乗れていなかった素材関連でした。下落率上位はサービス、食料品、陸運と内需関連となりました。これらは足元堅調だったセクターであり、リターンリバーサルの動きの影響だと見られます。
スタイルインデックスではTOPIXバリュー、東証2部、マザーズ指数が強い一方で、REIT、TOPIXグロース、日経平均が弱含みました。REITは米国の金利の上昇が重荷となりました。
また海外の金利上昇の影響受け、日本の金利も上昇し10年利回りは0.09%と今年3月中旬以来の水準にまで上昇しました。日銀は10年金利を0%近辺でコントロールすると発表しており、これ以上金利が上昇しないように動くのかが注目です。
今週は月末ということで経済指標が多く発表されました。日本の小売売上高(5月・前月比)は‐1.6%、全国CPI(5月、前年比)は+0.4%、鉱工業生産(5月)は‐3.3%と共に予想を下回る値となりました。全世帯家計調査支出(5月・前年比)は‐0.1%、住宅着工(5月・前年比)は‐0.3%と予想を上回りました。日本の景気が上向きになるために注目されている小売りの動向ですが、どうも減速気味のようで、ニトリホールディングス(9843)の似鳥会長は、今期に入ってからは個人消費が全般的に悪いとの指摘をされていました。
(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18217990Y7A620C1000000/)
今後の見通し
今週末は東京の都議会選挙が行われます。足元、支持率が低下傾向にある安倍政権の自民党は苦しい戦いとなっているようです。都民ファーストが躍進するとする予想も見られ、そのようになるのであれば、週明けの日本株は若干売り優勢となることが見込まれます。
また足元、ここまで堅調だった米国のハイテク株の動きが不安定になる場面が多く見られます。ナスダック指数の年初来のパフォーマンスは+14%強と半年での上昇幅としては良好な値となっており、調整があってもおかしくないレベルです。昨日の取引では50日移動平均線を割り込む場面が見られており、利食い売りが出やすい閑居となっているとも見られます。7月は相場が荒れる可能性が高いといわれる3日新甫であるため、調整の可能性も頭の片隅に入れておきたいところです。
経済指標は3日(月曜日)の日銀短観(日本)、ISM製造業景況指数(6月・米国)、7日の非農業部門雇用者数(6月・米国)が注目されます。
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