Brexitの影響が再び意識される展開に 2016年7月2週

株式市場概況

7月4日~7月8日の動き

英国の不動産ファンドで償還請求が殺到し、資産が凍結されるとの報道や、イタリアのモンテ・デイ・パスキ銀行が資金注入を求めたことなどから、Brexitへの不安が再び意識される展開となった。質への逃避から各国で債券が買われ、米国の10年金利は前週末水準である1.44%から一時1.31%台まで低下した。ドル円はその動きに合わせ、一時1ドル=100円20銭まで円高・ドル安となる場面もあった。その後も円は強い展開が継続し、1ドル=100円中盤で取引されている。

 

日本株は週初めこそ堅調な展開となっていたが、英国とイタリアのニュースが火曜日から影響した。火曜日は一時、日経平均株価が500円以上下げる場面もあった。その後は米国の雇用統計を前に、積極的な売買が控えられる中、日経平均は15,000円前半でもみ合いの動きとなり、前週末比-3.67%の15,106円で取引を終えた。

決算発表では小売りの悪さが目立ち、イオンなど株価が急落する銘柄があった・

 

新興市場では、バイオ関連で新薬の統計的優位性が見られなかったという報告が2件あり、市場心理が悪化し、下落幅が大きくなった。来週15日に上場するLINE用の資金をねん出しようという動きの影響もある。マザーズ指数は前週末比-6.32%の962.89ポイントとなった。

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中国の経済指標では、Caixin中国PMIサービス業指数が52.7(前月51.2)と前月よりも改善し、外貨準備高は32,052億ドルと予想以上に増加した。

米国のISM非製造業PMI(6月)は56.5(前回52.9)と予想、前月をともに上回る内容となり好感された。内訳では雇用が増加しており、好感できる内容となった。雇用統計の前哨戦のADP雇用統計は17.2万人増(前回17.3万⇒16.8万)と予想を上回った。

 

セクター動向では、その他製品と食料品が上昇した。下落は不動産、保険、銀行と金融系が目立つ。スタイルインデックスでは小型株の下げが大きい。前週は上昇率トップだったマザーズ指数は、バイオ関連の大幅下落により、下落率トップとなった。

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今後の注目点

週末の注目は米国の雇用統計だ。予想中央値は非農業部門雇用者数が17.5万人増と前月の3.8万人増と比較すると、かなり高くなっている。想定程度の値が出るのであれば、為替は円安の動きとなり、日経先物も買われるであろう。しかし、前月に引き続き10万人割れの値となると、雇用改善の失速からFRBは利上げが出来ないという見通しが強まり、もう一段の円高が進む可能性がある。

日本では週末に参議院選挙が行われるが、自民党の勝利との見通しがすでに報道されており、市場に影響を与えることはないだろう。

14日に英国中銀の政策会合が行われる。市場では政策金利が0.5%から0.25%に引き下げられると見込まれている。英国中銀の政策変更で相場が落ち着くかどうかが注目される。15日には日本でLINEが上場される。

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