11月最終週の株式市場は、日経平均+2.31%、NYダウは▲0.60%、ユーロストックス+3.61%と、前週までの米国一強動きの巻き戻しとなりました。
年内株高、年明けからの急変に注意、という流れには変わりありませんが、年末も近いことから、長期的な目線で各国株価の水準感を振り返りたいと思います。
過去30年間の入手できる範囲での予想PERで見ると、米国S&P500は平均から+1.82σと上方に乖離しており、逆に香港ハンセン指数は下方に0.72σ乖離しています。単純に解釈するならば、米国は割高で、香港株が安いということで、米国売り/香港買いとなりそうですが、実際には、長期的な指標の解釈ではモメンタムが強く長く出る傾向にあります。また、割高な状況も株価が先に好況を織り込み、実態(EPS)があとから追い付いてバリュエーションが修正されるケースが多いので、単純に解釈するのは危険です。
とはいえ、S&P500の12か月世予想PERは22.60倍と、2000年ITバブル時のピークの25倍に次ぐ高水準にあり警戒感は当然でてくる水準です。
少し面白い事例としては、2017年年末にBloombergがS&P500が2000年のドットコムバブル以来の高バリュエーションになっていると記事にしました。年明け、2018年の1月相場は、1月下旬まで強気一辺倒で7.45%上昇となっており、その後、2月にVIXショックが起こりました。
バリュエーションが高く調整が入るという考えは間違ってはいませんでしたが、仮にショートポジションを組んでいたとすると年明け早々担ぎ上げられて逃げ道が無くなっていたと思われます。
(2017.12.21)S&P500種のバリュエーション、ドットコムバブル期のピークに接近
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-21/P1AFLM6K50Y301
ともかく、バリュエーションが高いときにさらに上昇するのか、あるいは下落すのか、どちらにせよボラティリティが高まりますので、年明けのポジションはひとまずガンマロングにしておくのがよさそうです。
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