債券相場は下落。米FOMCで利下げペースの鈍化が示され米長期金利の大幅上昇を受けて国内債も売りが先行、その後、この日の日銀政策決定会合で金融政策を現状維持としたことで一時先物などが買い戻されたが、引け後に行われる植田日銀総裁の会見に対する警戒感が相場の重しとなった。
15時30分から行われた会見で植田総裁は、来年の春季労使交渉の情報がもう少し必要と述べたことや、米次期政権の政策巡る不確実性についても言及したことなどを市場はおおむねハト派的と捉え、ドル円相場がドル高に振れるとともに先物の夜間取引で一時142円51銭まで上昇した。
【メモ】
☆植田総裁会見主な発言(出所:Bloomberg)
「賃金と物価の好循環の強まりを確認するという視点から、来年の春季労使交渉に向けたモメンタムなど今後の賃金の動向についても少し情報が必要と考えている」
「わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い」
「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」
「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」
「現在の実質金利は極めて低い水準にある」
「見通し実現すれば政策金利引き上げる」
「利上げタイミング、データを丹念に点検して判断」
「1月会合であれば支店長会議の結果も参考にするということになる」
「米次期政権の政策巡る不確実性大きい状況続く-経済は堅調に推移」
「米次期政権の政策、世界経済にも影響及ぼし得る」
「政策は特定のデータを待たなければいけないことはない」
「為替の物価への影響、常に注意深く見ている」
「現時点で賃金に関する情報少ない、慎重な判断の一つの理由」
「非伝統的手段を今後全く採用しないこと宣言するわけではない」
「輸入物価落ち着いていることも考慮し、為替の影響を判断」
「春闘モメンタム、3月の1次集計に至らずとも分かる可能性」
「タイミング遅れれば、中立金利到達までの利上げペース早まる」
「データはオントラックできている、見通し確度上がっている」
「賃金について次回会合までにどこまで分かるか、予想し難い」
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