6月第最終週は、日経平均株価は+1.24%、NYダウ+2.02%、ユーロストックス50+2.98%とそろって反発となりました。
日経平均は前週のレポート通り25日線で反発となりました。先物手口情報からは、週を通して、海外証券の売りが出る一方で国内証券が買い向かう構図となっていました。木曜日に発表された~6/16の週の投資部門別売買動向では、海外投資家の3090億円売り越しに対して個人投資家3938億円買い越しと、これまでの上昇相場と売り買いの主体が逆転しました。おおむね33000円超えると海外勢の売り、33000円を割れると国内勢の買いとなっており、2015年のラリー後のように高値圏でのもみ合い相場となりそうです。
引き続きETFの換金売りには注意が必要ですが、下がった局面では個人投資家の押し目買い意欲もあることから過度の警戒は要らないように思えます。
(Bloomberg)日本株に恒例の需給悪化、1兆円超のETF換金売り-年金再配分も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-22/RWMYFOT1UM0W01
2015年のセクター動向について、同年1月から6月までの上昇相場時には、非鉄金属、卸売といった景気敏感セクターが上昇を牽引していた一方で、2015年6月から7月のレンジ相場では、これらのセクターのパフォーマンスは下位になっており、逆に、上昇相場時に出遅れていた運輸業などが上昇していました。
同様に、本年2023年の4月以降の上昇相場でも卸売セクターが上位となっていますが、海外投資家が売り越しにまわった6/16以降で見ると、4月からの上昇相場で出遅れていた鉄鋼や水産・農林セクターなどが上位に入り始めており、セクターローテーションが始まっているように見えます。
ローテーションの最終局面では医薬品などのディフェンシブ銘柄が買われるのが教科書的なセオリーですが、足元ではまだ医薬品まで物色は行っていないことからも、当面、高値圏でのもみ合いが続くことを示唆しているように思えます。
トレードアイデアとしては、インデックスでは33000円を中心にストラドル売り、個別では、アウトパフォームを始めた鉄鋼株の買いがよさそうです。