5月第1週は、日経平均+1.04%、NYダウ▲1.24%、ユーロストックス50▲0.43%となりました。
日本市場がゴールデンウイーク連休中の5/4早朝に発表されたFOMCでは25bpの利上げを決定し、その後パウエル議長による会見では利上げ停止が示唆されましたが、ファーストリパブリック銀行の破綻救済からの連想でパックウェスト銀行やウェスタン・アライアンス銀行株価が急落しているなか、利下げの手がかりがなかったことからかNY株式市場は下落となりました。
一方で、5/5(金)に発表された雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想+185Kに対して+253Kと政策金利高止まりを示唆したパウエル議長の発言を裏付ける非常に強い数値がでましたが、NYダウは546ドルの大幅高となり、ちぐはぐな反応を示しいています。需給面ではS&P500ミニ先物の投機筋建玉がコロナショック時を超える35万枚の売り越しとなっておりショートカバーの圧力が強い状況です。
また、金曜日の上昇でNYダウ、S&P500はダブルボトムの形を作ったこともあり、連休明けの相場は上昇が期待できそうです。5月言えばSell in Mayが意識されますが、上述のショートポジションの解消までは下値の堅い展開となりそうです。
連休中の海外市況は結局、FOMC前後で下落し雇用統計で上昇といってこいの展開となったため、金曜日NY時間引けの水準で計算すると、月曜日の日経平均は87円安とほぼ変わらずのスタートとなりそうです。指数ベースではほぼ変わらずですが、セクター別にみると、米国S&P500銀行株指数は地方銀行の財務状況不安から前週比▲4.59%と大きく下落しており、日本市場でもこの影響が出るかもしれません。しかしながら、日本では米国のように政策金利を引き上げているわけではないため地方銀行のポートフォリオ懸念の心配は少なく、また、3月のシリコンバレー銀行破綻時の日本の銀行株連れ安は結局ちょうどいい押し目となったこと、さらに、東証のPBR1倍割れ改革の流れもあり、今回も三菱UFJ(8306)など銀行株を拾うチャンスかもしれません。