債券相場は上昇。パウエルFRB議長が12月の利上げ減速を示唆したことを受け、米金利に低下圧力がかかった流れを引き継ぎ、先物を中心に買いが優勢だった。午後に、日銀野口審議委員がこの日の会見で述べた内容の一部が政策転換に前向きな内容と捉えられ、上げ幅を縮める場面があった。
この日の10年債入札は無難な結果となるも、平均落札価格は日銀の連続指値オペのレートの0.250%と同水準で、オペ応札分以外での需要が極めて小さいようだ。
【メモ】
☆10年債入札(368回リオープン,CPN 0.2%)落札結果
最低落札価格99円52銭(0.250%)、平均落札価格99円52銭(0.250%)、応札倍率6.03倍(前回5.24倍)。(事前予想価格99円51銭)
☆国債買入(固定利回り方式,366~368回) 落札金額15465億円 / 国債買入(固定利回り方式,356、357回) 落札金額0億円。
☆野口日銀審議委員会見主なコメント(秋田県金融経済懇談会)
「賃金と物価の好循環、物価目標達成の重要な前提条件」
「2%の物価上昇には3%程度の賃金上昇が必要」
「物価のノルムが変わっていく芽がようやく出てきた」
「3%の賃金上昇実現で直ちに政策転換にはならない」
「出口の際の手段の順番、現時点で判断するのは難しい」
「現状は政策転換あると思わないがデータ次第で前倒しあり得る」
「将来的な目標実現が確実になれば、政策転換も不思議ではない」
「中国経済減速、先進国の減速と重なると警戒要する」
「好循環の可能性、以前よりも高まっている」など(出所:Bloomberg)