6月の第3週の株式市場は、NYダウ▲3.45%、日経平均+0.05%、ユーロストックス50▲1.05%と日本以外は下落となりました。週末金曜日のNYダウは5/12日以来となる1%以上の下落となりました。
予想外にタカ派だったFOMC後、市場は債券安・株安のリスクオンとなりましたが、翌日木曜日には長期債が買われ株価も反発しました。木曜日からの長期債買いはベアフラットニングポジション積み増しだったようで、結局、利上げを織り込むポジショニングであることから金曜日は再度株安となりました。
さて前回のFRBのテーパリング局面を復習すると、2013年のテーパータントラムでは日経平均は▲21%の大きな調整だったのに対して、S&P500は▲7%程度の下落で済み翌月には早々に高値を回復という流れでした。当時日経平均の下落が大きかった背景には、アベノミクス相場での急上昇の直後であったというタイミングの問題もあり、2013年5月当時と比較すると海外株価指数と比べて顕著な買われ過ぎ状態ではないため、今回は調整があっても比較的マイルドなものではないかと期待します。
昨年のコロナショック以降、ヘッジファンドのスタイル別では新興国株が目立った上昇を続けており、テーパリングに伴う資金フローの巻き戻しがタントラムを引き起こすなら、2013年と同様に米国株買い/新興国売りか。ただし、FOMC後のETFフローでは欧米買い/アジア太平洋売りの資金フローとなっており、やはり日本市場には逆風かもしれません。
FOMCのサプライズな姿勢は市場間で強弱の違いがはっきり出てきそうですので、ダウ先物やSDGsグローバルといった先進国株の買いと日経CALL売り(あるいはPUT買い)という組み合わせが面白そうです。
図2. 2013年5月のFRBテーパーアントラムでは先進国では日本の一人負け