2/9(金)までの一週間は、日経平均は▲8.13%下落の21,382.62円となる大荒れも展開となりました。
2/10(土)の主要紙(日経、産経、読売、毎日、朝日)の一面は黒田総裁の続投人事を報道しており、市場の不安感を払拭しようとの政府の意図が見えます。続く日曜日も黒田総裁のこれまでの実績・手腕について紙面を割いていましたが、震源地が海外である以上、安心感の広がりは限定的と思います(株式市場よりも海外金利高につられ軟調だった日本国債市場への影響が大きそうです)。
(日経新聞)株、続く「VIXショック」2万1000円巡る攻防
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2673159009022018000000/
今回の下落については、一部でVIXショックのあだ名がつき始めているようで、株式のインプライドボラティリティ(予想変動率)の急上昇が、機関投資家の株式売り/債券買いのアロケーションを引き起こしたという見方です。真相はともかく、この見立てが正しいのならば、VIX指数が低下し落ち着きを取り戻せば株式市場も底入れとなりそうです。ただし、VIX指数はS&P500のオプションから算出されており、実際には、株価の上昇と同時にVIX指数も低下するので買いのシグナルとしては使いづらいです。
過去の日経平均の調整局面での株価推移を、終値ベースでの高値日である2018.1.23の株価に基準化してプロットしてみました。底入れまでのタイミングはマチマチですが、株価はおおむね19000-20000円の間で底入れとなっています。
テクニカル的には日経平均先物は200日線の下にひげを残し、また、RSIもコンバージョンとなっているため、短期的なリバウンドはあるかと思いますが、VIX指数は29.06%と、これまでの10%-15%のレンジを大きく上回っており、引き続き警戒が必要です。また、先週まで株価下落の犯人扱いをされていた米国長期債利回りも2.85%と再度高値を狙う位置に来ており、著名投資家(ガンドラックなど)の予言していた3.00%以上を見るまで落ち着いてくれない可能性もあります。
図.調整局面入りとなった日経平均の株価推移(終値ベース、過去の日経平均株価は1/23終値に基準化、凡例の日付は直前の高値日)