債券相場は大幅安。この日の日銀政策決定会合で、0.15%の追加利上げと、国債の買入れを2年で半減することを発表した。取引開始前から新聞等による観測報道が伝わったことで、売り先行でスタートしたが、結果的に利上げ幅や国債の買い入れ減額計画が市場参加者の見方に沿った形となり、結果発表後は先物が買われるなど、影響は限られたようだ。また日銀決定会合の公表文でも経済・物価が見通しに沿えば利上げを続けるとしているが、一方でそのピッチは緩やかとの声も多く、この日のイールドカーブのフラット化が、それを表しているとの見方。
【メモ】
植田日銀総裁会見要旨(出所:Bloomberg)
<金融政策>
政策金利の変更後も緩和的な金融環境は維持される / 0.5%という政策金利水準、特に意識しているわけではない / 利上げでも実質金利は非常に低い、景気にマイナス影響ない / 経済・物価見通しに沿って動けば、引き続き金利上げていく / 今回の利上げ、主な理由は経済・物価のオントラック / 円安による想定以上の物価押し上げ、重要なリスクと認識 / 円安は必ずしも今回の利上げの最大の要因ではない
<国債買い入れ減額計画>
しっかりした減額計画を決定することができた / 長期金利急上昇なら機動的に国債購入増、指し値オペ実施 / 必要な場合は決定会合で減額計画の見直しもあり得る
<為替相場>
為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている / 輸入物価が再び上昇、先行き物価上振れリスクに注意必要 / 金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視
<経済、物価情勢>
個人消費、物価上昇の影響見られるが底堅く推移している / 基調的な物価上昇率、2%に向かって上昇する動き続いている / 円安もあり輸入物価が再び上昇、物価の上振れリスクに注意する必要 / 長期化している高いインフレの負担、申し訳なく思っている