債券相場は下落。前日の米金利上昇に加え、この日結果が公表される日銀金融政策決定会合において国債買い入れ規模を縮小するとの事前の観測報道で売りが先行した。ただ昼過ぎに伝わった公表内容は、当面の金融政策は現状維持、また注目の国債買入れについても声明文の「なお書き」でこれまでの方針を維持すると発表したことで、午後から下げ幅を縮めた。またその後の総裁会見でもハト派的な発言内容を受けて先物夜間取引では買い注文が優勢となり前日の取引水準を上回った。
【メモ】
☆植田総裁会見の主な発言
(金融政策)
「今後の金融政策はその時々の経済・物価・金融情勢次第」「 基調物価が見通しに沿って上昇すれば短期金利引き上げ」
「 消費回復の実現は政策運営上の重要なチェックポイント」 「見通しの上方修正が無視できない確率で高まれば緩和調整」
(為替関連)
「金融政策は為替を直接のコントロールの対象にしていない」 「為替レートは経済・物価に影響及ぼす重要な要因」
「基調的な物価に円安は今のところ大きな影響出ていない」 「とりあえず基調的な物価への影響はないと皆が判断」
(国債買い入れ)
「3月政策変更の影響を見ている段階」 「市場動向や需給・オペ応札などで市場局が判断」
「長期的に国債買い入れを減らす場合は政策委員会で決める」 「政策の能動的な手段としては使いたくない」 「買い入れ6兆円で続けることに反対はなかった」など。