債券相場は上昇。米長期金利低下に加えて、この日の超長期債を対象とした流動性供給入札が無難な結果となったことで午後は買いの勢いが強まった。足元での米金利上昇やドル円相場の円安基調に一服感が見えたことで、買い控えていた一部投資家の資金が入ったようだ。この日佐賀県で行われた日銀の野口審議委員の講演でのややハト派的な内容が相場の下支えになったとの声も聞かれた。
【メモ】
☆流動性供給入札(404回、残存期間15.5年超39年未満)落札結果
募入最大利回り較差 -0.017%、募入平均利回り較差-0.022%、応札倍率2.27倍(前回2.87倍)。
☆日銀野口審議委員の主な発言(佐賀県金融経済懇談会)
・「経済・ 物価・金融情勢に応じて短期金利の操作を行うような『潤沢な準備預金を伴った政策金利調整』の枠組みに本格的に移行する」
・「政策金利の段階的な引き上げ、国債購入額の調整を通じたバランスシート調整などが、情勢を慎重に見極めつつ行われる」
・(政策金利調整のペース)「他の主要中央銀行の最近の例とは比較にならないほどゆっくりとしたものになることが予想される」
・「物価が基調的に2%近傍で上昇し続けるという状況に至るまでには相応の時間を要する」
・(大規模緩和で拡大したバランスシートについて)「とりわけ市場機能の改善のためには、将来のある段階でバランスシートの縮小に着手していくことが望ましい」
・(足元での円安進行に関し)「コストプッシュに伴う物価上昇は一時的なものであり、その影響を見極めることが基本的な対応になる」「コストプッシュが基調的な物価の上昇に結び付けば政策対応が必要になるとし、基調への影響を十分に見ていく」
・(年内の追加利上げの可能性について)「あるともないとも言えない。今年中にやるつもりはないと言うつもりはない」他。