債券相場は大幅下落し、長期金利指標である新発10年債利回りは一時0.765%と約2カ月ぶりの高水準に達した。注目された米CPIが事前予想に反して上振れて金利が急上昇したほか、円安の進行も日銀による金融政策正常化期待に繋がり、売りが優勢だった。ただ売り一巡後は、午前に日銀による国債買い現先オペが打たれたことなどもあり、先物中心に買い戻され下げ幅を縮めた。下値近辺では投資家の押し目買いも一定程度あるようで、金融正常化に向けた確度がさらに強まるまではさらに売り進むほどの動きは限定的のようだ。この日は世界初となる10年クライメート・トランジション(移行)国債入札が行われたが、金利上昇局面に重なったこともあり、やや慎重な動きからやや低調な結果となった。
【メモ】
☆10年クライメート・トランジション国債(1回、CPN0.7%)落札結果
発行価格99円62銭(0.740%)、応札倍率2.89倍(前回—-倍)、(事前予想価格99円70銭)