債券相場は下落。日銀はこの日の政策決定会合でYCCの再柔軟化を発表し、長期金利の上限は1%を目途として、連続指値オペを取りやめ一定程度の上昇も容認した。結果が発表された午後の取引開始直後は、やや取引の荒い展開となったが、前日夜の日経報道で既にYCC再修正の議論されることが伝わっており、売りが先行した朝方の水準からはやや戻して取引を終えた。
日銀は、展望レポートで来年以降の物価見通しを前回に続いて上方修正しており、マイナス金利解除も視野に入る中、長期金利が1%水準へ達するのはそう遠くないとの見方が多い。
【メモ】
<植田総裁の会見の主な発言>
(再修正した長期金利の水準について)「1%を大幅に上回るとはみていない」
「7月時点では長期金利は1%に接近しないと考えていた」
「米金利上昇の程度が予想以上だったことが背景」
(金利上昇について)「根拠が薄い投機的な金利上昇は機動的オペで抑える」
「ファンダメンタルズに沿った金利上昇は許す」
(物価見通しについて)「見通し実現の確度が少し高まっている」
「物価目標の持続的実現を十分な確度で見通せる状況にない」
(YCC撤廃とマイナス金利解除などについて)「来年の春闘は1つの重要なポイント-物価目標実現」
「YCCとマイナス金利解除の順序、経済・物価情勢次第-決め打ちせず」
「賃金と物価の好循環が2%近くで回り続けること必要」