債券相場は上昇。前日の米長期金利が2.8%台前半まで低下するなど、金利上昇に一服感が広がっていることを受けて買いが優勢だった。もっとも、日銀が0.25%で無制限に買い入れる指し値オペの影響で、長期金利の指標となる10年債は、米国債や他の年限に比べて割高感が強く、金利低下幅は限られた。
【メモ】
☆本日の日銀買入オペは、1年以下1500億円、1-3年4750億円、3-5年4750億円、5-10年超5000億円(事前通告通り)。応札倍率はそれぞれ2.55、2.04、3.2倍。
☆5-10年(10年364~366回)指値オペ落札額0億円。
☆日銀黒田総裁講演要旨(内外情勢調査会)
フォワードガイダンスの緩和バイアスは「維持することが適当」、
「現在の金融緩和を縮小することが適当とは考えていない」、
(連続指値オペの毎営業日実施について)「先行きの政策スタンスを推し量ろうとする動きも見られていた」、
(最近の資源価格の上昇などで目先2%程度まで物価上昇率が高まるものの)「エネルギー主導であり、持続力を欠く」
「生産性と物価の上昇率と整合的で、持続可能な名目賃金の上昇率は3%程度になる」
「感染症は依然として経済の下押し要因として作用している」
(上海など中国でのロックダウンによる物流網の混乱が)「供給面から制約し始めている点には注意が必要」
「感染症やウクライナ主因に当面下振れリスク大きい-経済」
「物価が欧米とは全く異なることを改めて強調しておきたい」
「為替市場含めた国際金融資本市場が不安定化するリスクも」
「2%程度へ高まるが品目間の広がり乏しい-22年度物価」中長期のインフレ予想が急激に上昇しているわけではない」
「日銀は政府が経営を支配している法人ではない」ほか(出所:Bloomberg)