1月第3週の株式市場は、NYダウ+524ドル、日経平均+190円と好調となりました。
週半ばには米中貿易協議のフェーズ1合意署名が行われ、関税撤廃の議論は秋の大統領選以降となるものの、少なくとも貿易摩擦終結へベクトルは向いていることから、通商政策上のリスクは低減したといえます。
(Bloomberg)米中、第1段階の貿易合意に署名-中国は2年で22兆円の追加購入https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-15/Q45UC2T1UM0Y01
年初に顕在化したイラン地政学リスクも後退し、当面、懸念材料も無くなった状態ですので、引き続き、株価上昇へ期待できそうです。当期+来期の予想PERからみた日経225のバリュエーションは、上限24500円あたりと上値余地はあまり大きくなく、EPSの改善が待たれるところです。
一方で、TOPIXで見ると同バリュエーションの上限は1940ptと、現値から11.8%ほどの上値余地あり、年度末に向けて、高配当株などの物色が強くなりそうです。
ただし、これまでの経験則上、こっち(日経)のバリュエーションで上値が無くなったので別の指標(TOPIX)で上値余地が無いかと探し始めるとよくよく天井であることが多いため、日経平均24500以上では慎重な姿勢を維持したいです。
市況データでは、裁定売り残高 9354億(+222億)と再び増加して裁定買い残 7078億を逆転しややリスクオフ気味となっています。先物の手口を見ると、昨秋の上昇相場を先導した米系証券が年末からここまで一貫して売りに転じており、1/14-17で22749枚の大幅売り越しとなっているのが不気味です。
しいてリスクを挙げるなら、1/21の日銀会合でETF貸出制度のスタートし、貸出開始で値嵩株の一角をショートしやすくなり、日経平均下落というストーリーもありえますが、現状、ファーストリテーリングなどの大型値嵩が空売りできないほど流動性が枯渇しているとは言い難く、このストーリーには懐疑的です。