JGBトレーディングフロア(2022年7月29日)

債券相場は超長期債が下落。堅調な40年債入札結果以降、買い圧力が強かったがこの日は一服感から売りが優勢だった。半面、2年債入札を順調にこなしたことから中期債が堅調となったほか、日銀が連日実施している指し値オペが相場を下支えした。先物は、海外金利に連れる形で夜間取引では堅調な動き見られるも、日中取引では押し戻される取引が続いており、やや方向感が見極めづらい印象。

【メモ】
☆2年債入札(439回,CPN 0.005%)落札結果
最低落札価格100円15銭5厘(-0.072%)、平均落札価格100円15銭9厘(-0.072%)、応札倍率4.33倍(前回3.81倍)。(事前予想価格100円14銭5厘)
☆国債買入(固定利回り方式,365~367回) 落札金額0円 / 国債買入(固定利回り方式,356回) 落札金額0億円。

【来週のスケジュール】
8/1
<国内予定>
じぶん銀行日本製造業PMI(7月) / 自動車販売台数(7月)
<国内決算>
小野薬(4528) / アステラ薬(4503) / 大塚商会(4768) / JAL(9201) / 京セラ(6971) / ANAHD(9202) / 大ガス(9532)
<海外予定>
【米国】米建設支出(6月) / ISM製造業景況指数(7月) / S&Pグローバル米製造業PMI(7月)
【欧州】S&Pグローバル・ユーロ圏製造業PMI(7月) / ユーロ圏失業率(6月)
【その他】中国財新製造業PMI指数(7月)
<海外決算>
HSBCホールディングス / ハイネケン / アフラック

8/2
<国内予定>
10年債入札 / マネタリーベース月末残高(7月) / 営業毎旬報告(7月31日現在)
<国内決算>
三井物(8031) / 三菱商(8058) / AGC(5201) / MUFG(8306) / ダイキン工(6367) / JR西日本(9021) / 東電HD(9501)
<海外予定>
【米国】シカゴ連銀総裁,メディア向け朝食会主催 / 米セントルイス連銀総裁講演 / 米共和党全国委員会夏季会合 / 米中間選挙予備選(アリゾナ州,カンザス州,ミシガン州,ミズーリ州,ワシントン州) /自動車販売(7月) / 求人件数(6月)
【欧州】英10年債入札
【その他】オーストラリア中銀,政策金利発表
<海外決算>
BP / キャタピラー / ウーバー / アドバンスト・マイクロ・デバイセズ / ペイパル / スターバックス

8/3
<国内予定>
臨時国会召集 / じぶん銀行日本サービス業PMI(7月) / じぶん銀行日本複合PMI(7月)
<国内決算>
川崎汽船(9107) / 住友商(8053) / オリックス(8591) / ZHLD(4689) / 野村HD(8604) / 日本郵船(9101) / 任天堂(7974)
<海外予定>
【米国】米耐久財受注(6月) / 米ISM非製造業総合景況指数(7月) / S&Pグローバル米総合・サービス業PMI(7月)
【欧州】ドイツ15年債入札 / 「OPECプラス」閣僚級会合 / ユーロ圏総合・サービス業PMI(7月) / ユーロ圏PPI(6月) / ユーロ圏小売売上高(6月)
【その他】ブラジル中銀,政策金利発表
中国財新サービス業・コンポジットPMI(7月)
<海外決算>
アクサ
BMW
コメルツ銀 / ソシエテ・ジェネラル / モデルナ / イーベイ / メットライフ

8/4
<国内予定>
10年物価連動国債入札
<国内決算>
日本製鉄(5401) / ソフトバンク(9434) / トヨタ(7203) / スクエニH(9684) / 日清食品H(2897) / 旭化成(3407)
<海外予定>
【米国】米クリーブランド連銀総裁講演 / 米中間選挙予備選(テネシー州) / CPAC(保守政治行動会議)2022[トランプ前米大統領らが講演予定] / 米貿易収支(6月)
【欧州】ECB経済報告 / 英中銀政策金利と金融政策報告発表,ベイリー総裁会見 / 独製造業受注(6月)
【その他】*****
<海外決算>
メルク / バイエル / クレディ・アグリコル / INGグループ / アリババグループ / ウィーワーク

8/5
<国内予定>
国庫短期証券(3カ月)入札 / 日銀コール市場残高(7月) / 家計支出(6月) / 毎月勤労統計(6月) / 景気動向指数(6月)
<国内決算>
丸紅(8002) / 伊藤忠(8001) / 大成建設(1801) / スズキ(7269) / 東京海上H(8766) / レーザーテック(6920) / 三菱重(7011) / NTTデ(9613) / 島津製作所(7701) / エーザイ(4523) / シャープ(6753)
<海外予定>
【米国】雇用統計(7月) / 米消費者信用残高(6月)
【欧州】ロシア・トルコ大統領会談(ロシア・ソチ) / 独鉱工業生産(6月)
【その他】*****
<海外決算>
アリアンツ / ウエスタンデジタル


 本資料は、情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、一般的あるいは特定の投資助言 を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料に掲載されたデー タ・統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、当社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時のものであり予告 なしに変更されます。運用方針・資産配分等は、参考情報であり予告なしに変更されます。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。
光世証券株式会社
金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第14号 加入協会/日本証券業協会

ウィークリーレポート(2022年7月29日)

7月の第最終週の株式市場は、日経平均は▲0.40%の反落、NYダウ+2.97%、ユーロストックス50+3.10%はそれぞれ続伸となりました。

7/28FOMC後のパウエル議長会見では、9月大幅利上げもその後はデータ次第で利上げペースダウンする可能性を示唆し、長期金利は低下、株式市場は大幅上昇となりました。
同日夜の米国4-6月期実質GDP前期比年率換算は市場予想+0.4%に対して▲0.9%と2期連続のマイナス成長となり、テクニカル・リセッションとなりました。景気後退懸念の台頭から米国債は買われ、長期金利は週間で▲7.4bp下がり2.67%となりました。株式市場は景気後退懸念とは逆説的に、米国金利の低下から上昇となりました。
金利と株価の関係については、10年債利回りと株式益回りの差であるイールドスプレッドで確認できます。ここ1年はおおむね3%前後のスプレッドで推移してきています。GDP発表後の株高も、国債利回りの低下による相対的な株式益回りの上昇から株への買いが出たものとみられます。

とは言え、こういったアロケーションがこのまま続くかというと懐疑的です。1-6月期がマイナス成長となったので、今年の1月からリセッション入りと”仮”置きすると、NYダウは昨年の高値から最大で▲18.09%の下落を経験していますが、過去のリセッション局面での平均▲31%と比較すると下落余地はまだあり、リセッションの影響(EPSの下落)は織り込んでいないとみられます。この点に関しては耐久財受注などの経済指標の急速な悪化があればこれまでよりもインパクトを持ってくると思われます。
経済指標については、今回のGDP後の発表を踏まえると、悪い数値→金利低下→株価上昇となる可能性もありますが、2021年までのゴルディロックス相場と異なり、金融政策は量的にも引き締めに入っており、金利低下の裏でジャンク債と国債の利回り格差であるハイイールドスプレッドが拡大している場合にはその後の株価急落に注意が必要です。

テクニカル的には、先週取り上げたNYSE総合指数のBreadth Indicator(10日間騰落レシオ)が60を上回り過熱感が出ており、また、過去のベア相場入り後のパターンからも1標準偏差を上回るリバウンド記録しており、FOMC/GDPでの株価の反応は行き過ぎた動きに見ます。
日本株についても、騰落レシオ(25日間)が143まで上昇し、米国同様に過熱感のある水準となっています。米国金利の低下から内外金利の縮小、行き過ぎた円安の修正から米株対比で重たい展開が予想されます。

とはいえ、2期連続マイナスとなるGDPを株価上昇でこなしてしまった以上、目先、押し目を作るようなイベントは見当たらず、8/10CPIまではサマーラリーとなる可能性もあり、特にVIX指数は3か月ぶりに23ptを下回ってきたことなどからも、当面のラリーを示唆しています。
状況としては、株価の反落を睨みながらのチキンレースとなっていますので、8月限オプションでのカバードコールや、9月限オプションでのリスクリバーサルの売りなどのストラテジーが考えられます。


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