2020年の2月末に世界の株価指数は「コロナショック」に見舞われました。
日経平均もそのあおりを受けて、1/17の24115.95円を高値に下落し、2020年3月半ばには17000円を割り込みました。その後、3/19の16358.19円を安値に反発し、8月半ばには23500円台まで回復しています。
現在、アメリカのナスダック指数や日本のマザーズ指数などコロナショック前の高値を超えている指数もある一方、欧米では新型コロナウイルスの感染が再び拡大する兆しも見られ、堅調な株価とは裏腹に先行きは不透明です。そこで、経済的観点ではなく、JPXで公表されている取引参加者の先物手口を用いて、需給面から今後の日経平均の動きを占ってみたいと思います。
まずは、ネット証券を除いた、各証券会社を米系証券、欧州系証券、国内証券に分けました。
2018年の7月1日を0として、手口が買い越しならプラス、売り越ならマイナスで2020年9月まで累積してグラフにしました。
このグラフから、コロナショック以前の海外証券は、日経平均が上がると買い越し、下がると売り越す「順張り」の動きでした。その一方で、国内証券は日経平均が上がると売り越し、日経平均が下がると買い越す「逆張り」の傾向がありました。コロナショックまでは海外証券が主導して動いていたと言えるでしょう。
しかし、コロナショック以降を見ますと、国内証券はコロナショックで日経平均が20000円を割り込んだあたりから16358.19の安値を付けるまで買い続け、さらに普段であれば日経平均が上がると売り方になるはずが、20000円に再び戻ってくるまで買い続けていたことが分かります。
それに対して、コロナショックで売り方にまわった海外証券は日経平均が20000円を超えてくるまでは売り続け、20000円を超えるあたりから買いに転じています。そのことから、今回のコロナショックにおいては、安値から日経の上げを主導してきたのは国内勢と言えると思います。
次に、同じように米系証券と欧州系証券に分けてみてみます。
欧州系証券の方が買いに転じるのが早く、米系証券が遅れて20000円辺りから買ってきています。そして、国内証券、欧州系証券に比べて米系証券がまだ買ってきていないことが分かります。
今後、日経平均がナスダック指数のように高値を抜けてくるには米系証券の買いが必要になると予想されます。
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどの米系証券の動きに要注目です。
JPXの先物手口情報はこちらから見ることができます。
https://www.jpx.co.jp/markets/derivatives/participant-volume/index.html