4/6(金)に発表された3月米国雇用統計は10.3万人の雇用増と18.5万人の雇用増を見込んでいた市場予想に対して弱い数字となり、また、クドローNEC委員長の対中貿易での強硬的な発言が伝わり、NYダウは▲572ドル安となりました。
週間を通して、米中の貿易戦争に振り回されっぱなしでしたが、改めて見ると、初めのころはネガティブに反応していた貿易戦争のニュースですが、4月に入ってからは制裁措置発表の瞬間こそ株価は下落するものの、大引けまでに前日比プラス圏に戻すことようになりました。
3/23 米:鉄鋼25%/アルミ10%の追加関税 (NYダウ ▲424ドル)
4/1 中:豚肉・ワイン等、最大25%の報復関税 (NYダウ ▲458ドル)
4/3 米:知的財産権侵害などで航空宇宙関連など5兆円を対象に制裁関税 (NYダウ +389ドル)
4/4 中:大豆・航空機など5兆円を対象に報復関税 (NYダウ +230ドル)
4/6 米:さらに10兆円の追加制裁措置を検討と発表 (NYダウ ▲572ドル)
これまでのところは、本格的な貿易戦争は発生しない・交渉を有利にするために過大な表現を使っているだけ、といった見方で反発してきました。
貿易戦争が現実味を増してきたと市場が認識することで、もう一段の下落があるかもしれません。とは言え、輸入する立場で考えれば、米国産大豆に25%の上乗せの関税がかかるならブラジルからの輸入を増やすでしょうし、中国産の半導体の関税が高くなるなら台湾から輸入すればよいので、世界経済全体ではネガティブな影響は限定的と考えられそうです。
また、代替輸入先のないような商品については、政府の増税と考えられ、この部分がマイナスとして作用しますが、5兆円・10兆円といったヘッドラインに現れる課税対象額のような大きな数値とはならないでしょう。
引き続き、貿易戦争関連のヘッドラインに振り回される展開が予想されますが、関税が2008年のようなグローバル経済の景気後退につながる可能性は低く、株価急落するようであれば買い目線で対応したいところです。