3/2(金)の日経平均の終値は21181.64円で、1週間で▲711円の下落となりました。金曜日の日本時間取引終了前に、黒田日銀総裁のとの発言が伝わり、債券市場では先物が50銭の急落、日経平均も金曜日だけで前日比▲542円安と大幅安となりました。
黒田総裁の発言は、「2019年には物価目標を達成しているはずだから、 2019年には出口戦略を考えていることは間違いない」と前置きのある話だったのですが、後半部分だけがヘッドラインとして流れ、マーケットは大騒ぎとなりました。
過去には、2017年6月27日に、ECBのドラギ総裁も「(もしテーパーリングをするなら)慎重に行うなう必要」と発言し、後半部分だけで『ECBテーパーリング間近』と誤解されて伝わった経緯があります。その後、EURは2か月ほどで8%上昇、ドイツDAX株価指数は7.16%下落しました。今回の黒田発言が同じインパクトを日本市場に与えるならば、ドル円98.47円、日経平均19,750円までの変動となります。
さて、そんな日銀引き締め(誤解)報道を受け、金曜日の大取夜間市場では日経平均先物は20690円まで下落しましたが、▲230ドル安で始まったNY市場が▲70ドル安まで下げ幅を縮小するとともに、日経先物は21050円(CMEは21125円)まで値を戻しました。
2/9に続く大きな下髭を付けたことでひとまずは安心出来そうですが、債券先物は150.77と、黒田発言ショックの半値戻し程度で足踏みをしており、また、ドル円為替レートもNY市場終了時点で105.75銭と、発言前の106.09円を回復していないことから、まだまだ警戒感がくすぶりそうです。そもそも引けまでの時間があまりなかったので現物市場には十分に織り込めていない可能性もあり、週明けには金利敏感株や為替の動向に注意が必要です。
表.投資部門別売買動向(現先合計、10億円)