光世証券ホーム > ザ・対談 第2回
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――「資産を減らさず、利益を増やす」デリバティブは、個人投資家にとって有用なツール。だからこそ、まずは「正しく知る」ことが大事というお話でしたが、多くの個人投資家にとっては、日頃接する証券会社の営業窓口が「知るための情報源」です。
ある意味、営業担当者こそ、個人投資家にとって最も近い“投資の先生”なのだと思いますが、この点について、どんな姿勢で臨んでいますか?
巽 私どもは、大阪・東京の2拠点だけ。大きな所帯でないからこそできる「お客様とのface to faceのお付き合い」を心がけてきました。今ではネット取引が7割ほどになっていますが、これは顧客利便のために、より手軽な仕組みを整えてきた結果であって、お客様に丁寧に向き合う姿勢は、ネット以前といささかも変わっていません。
お客様ひとりひとりと向き合う営業活動を通じて、繰り返しお伝えしてきたのは「わからないものには投資しない」ということです。「自分がわかること」に徹して投資すれば、まず後悔することはありません。
日経平均やドル円相場などは、ポピュラーな存在だけに、どこでも誰でも、それこそ小学生でも値段がわかります。日経平均先物やFXは、多くの個人投資家に利用されていますが、その背景には「誰でも値段がわかるだけに、適正な価格で取引することができる」という安心感があるわけです。
――わかりやすいからこそ、安心感があり参入もしやすい?
巽 そういうことだと思います。確かに『かぶオプ』や『国債先物』は、日経平均先物やFXほど、ポピュラーな商品ではありません。それだけに同じデリバティブでありながら、個人投資家には、値段がわからないから突拍子のない値段で取引されるのではないかという漠然とした不安があるのだと思います。だからといって「デリバティブは個人投資家には向かない」と考えるのは誤りです。
たとえば国債先物は、“リスクヘッジ”に役立つデリバティブ商品で、機関投資家(プロ)が活用している大きな市場なのですが、金利との裁定が効いていて高い流動性も確保されているだけに、突拍子もない値段で取引されることがない商品といえます。だからこそ安心して取引ができるのですが、こうした事実は、一般の方にはあまり知られていません。
そういう意味では、先にも述べた『ミニ国債先物』などは、個人投資家にとっても利用しやすい商品といえるのではないでしょうか。
――まさに「知れば安心」ということで、商品や市場のメリットを理解できれば、デリバティブは、安心して利用できるし、個人投資家の資産形成にも役立つということですね。
巽 だからこそ私どもでは、“わかりづらい”部分をクリアにしていただくためのサポートを、face to faceで徹底的にやらせていただいております。
その具体的な形のひとつが、大阪・東京で実施している「プライベートセミナー」です。
お客様ひとりひとりの理解が深まればと願って地道にセミナーを続けていますが、おかげさまでご好評をいただいていております。
土本 個人投資家の多くがネット取引を利用していると言われる昨今、昨年、光世証券さんと共催で『かぶオプ』に関するセミナーを実施させていただきました。
その際、たった1回のセミナーにもかかわらず、100人もの投資家の方々のお集まりいただきました。セミナーをとおして、デリバティブに興味をもったお客様が、その場で光世証券の社員の方と接することができる、まさにface to faceで理解が深まるセミナーだと思いました。
ネットと対面の両面に力を注ぐ貴社の姿勢には、大変、共感しておるところです。
――「個人投資家が参入しやすい商品」が増えているとのことですが、知識に乏しい初心者にとって、証券会社の窓口を訪ねるのは、やはり勇気のいることだったりします……。
巽 当社では、一般的な金融機関のような“営業カウンター”を設けていません。また、会社が売りたい商品を勧める営業マンも配置していません。
当社の場合、お客様をお待ちしているのは、資産運用のご相談に応じる“アドバイザー”です。おひとりおひとりの事情や背景を伺いながら、その方ならではの戦略を提案させていただいています。
土本 デリバティブに限らず、投資には必ずリスクがあります。投資家はそれを理解することが必要ですし、証券会社にはわかりやすく伝える責任があります。
つまり、セールスではなく“コンサルティング”が大事。その点で、光世証券さんは、理想的な営業姿勢を貫かれていますね。
巽 個人投資家の皆様には「“投資上手”になっていただきたい」と思っています。失礼を承知で申し上げますが、まだまだ“上手”な方は大変少ない。
投資上手になるためには、「人それぞれの事情」に合わせて、投資家ご本人が自分自身で考える、ということが何より大切なんです。投資の目的も資金の性格も人それぞれに異なるのだから、“他人任せ”はもちろんのこと、“他の人と同じ”もありえない。「みんな同じ」という発想は、実はハイリスクで、いちばんアブナイ。
私は“満員電車の法則”という話をよくするんですが、不案内な土地に来て、どの電車に乗っていいのかわからなくなると、人はついつい大勢が乗ってる電車に乗ろうとしてしまう。「みんなが乗ってるから安心だ」という心理なんですが、これでは目的地に着けるはずがない。
大阪には“オレオレ詐欺”は少ないようですが、“未公開株詐欺”はなかなかなくなりません。“投資の故郷”として忸怩たるものがありますが、都合のいい話が、そこらに転がっているはずはないんです。
――投資の道は、人それぞれ。だから、貴社の接客姿勢は、コンサルティングであり、アドバイスなんですね?
土本 国民性とか土地柄というお話になりましたが、巽社長が言及されたとおり、わが国には「堂島米会所」の歴史もあり、デリバティブの“素地”は、江戸の昔から日本人の中にもあったということですよね。
巽 歴史という点では、福沢諭吉先生も“デリバティブの唱導者”だったんですよ。
土本 そうそう。福沢先生の事跡から、投資の歴史を説き起こすのはよいことですね。先生には経済学者としての側面もあります。
――巽社長も土本常務も、慶応義塾のご出身でしたね。
巽 『学問のすゝめ』ならぬ“先物のすすめ”ですわ(笑)
福沢先生は、論文の中で「堂島米会所」にもふれて取引所の有益性を述べ、先物市場の意義を説きました。明治半ばの時代に福沢先生が主張したのは、「先物(米)の価格の標準を公開の市場で示すべき」、「政府は、余程のことがなければ市場に干渉するべきでない」、「ごく一部の専門家だけでなく世間一般が参加してこそ、市場の健全な発展がある」ということでした。
――それは、100年後の現代にも相通じる話ですね?
巽 あの時代からこっちの日本人が、福沢先生が説かれたように先物に取り組んでいたら、今ごろは、世界で最も発展した先物市場になっていたかもしれませんなあ。
――経済人・福沢諭吉の先見性に、個人投資家はもっと学ぶべきなのかもしれませんね。
学びもせず、デリバティブをただ不安視するばかりでは、“財布のユキチ”も泣きます(笑)
巽 仰るとおりです。デリバティブを知り、上手に活用していただきたいと思っています。
そのためのお手伝いは、ぜひ当社にお任せください!!
(了)