先物取引の取引アイデア調査(アノマリーから人工知能まで)

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 先物取引は売りからもポジションが作りやすく、売買が行い易い反面、どちらの方向の取引も外してしまう可能性もあります。先物を取引する際に、どのようなアイデアを持って、どのように取引すればよいのかの考え方を以下では示してみたいと思います。なお、これから上げる事例は、過去に有効であった事例であり、今後も有効であることを示すものではありません。先物には日経平均先物を利用します。

1.アノマリーを活用する

 アノマリーとは統計的には説明できない偏り(異常値)をいいます。例えば相場格言の「5月に売って11月に買う」というものは、株価が5月に高値を付け、11月に安値を付けるような傾向を示しますが、統計的に5月に高値を付ける理由も、11月に安値を付ける理由もありません。一説には5月は米国の税制の問題で売りが出やすいという話もあります。
 今回確認するアノマリーは、日経平均先物を引けで買い、翌日の寄付きで売り手仕舞い、そして寄付きで売り建て、引けで買い戻すと、利益が出るというアノマリーです。これは夜間の方が日本株は上がりやすく(米国株が上がりやすい?)、日本株の取引時間は下がりやすいという傾向を利用したものです。
 そのトレードを2000年から日々行ったものの損益(チャート上、青:日中買持の損益、赤:夜間買い持ちの損益、チャート下:日経平均先物価格)が以下のチャートです。

表 日中売り(青)、夜間買い(赤)ポジションを保有した場合

 時折やられる時期があるものの、利益が地味に積み重ねられ、手数料は考慮していませんが、どちらの手法も17年間、先物1枚で、15,000万円の利益を生み出していました。

2.テクニカル分析を利用する

 先物の売買によく利用されるのはテクニカル分析です。テクニカル分析の種類は多くありますが、ここでは単純に順張り指標、逆張り指標の2つで、買いシグナルが出れば買い持ち、売りシグナルが出れば売りを行うという単純戦略でシミュレーションを行ってみたいと思います。

2.1. 順張り手法

 まずは順張り手法を試してみたいと思います。ここではもっとも有名であろう短期の移動平均線(5日)と長期の移動平均線(20日)を使って、短期が長期を上回れば買いポジション、短期が長期を下回れば売りポジションを取った場合どのような損益が発生するのか調べてみました。それが下のグラフです。
 これを見ると、2014年までこの手法はうまく行っていたものの、それ以降、一気に利益を減らしました。先物1枚で売買し、2014年中に1200万円まで利益を増やしたものの、足元200万円まで利益を減らしたことが分かります。

表 移動平均のトレーディングシミュレーション結果

2.2 逆張り手法
 逆張り手法ではRSIを利用します。売られ過ぎのシグナルを30、買われ過ぎのシグナルを70というノーマルな設定で売買した場合、損益は以下のチャートのようになります。
 こちらは最近伸び悩んでいるものの、2009年辺りまで順調に利益を積み重ねた感じがあります。

表 RSIのトレーディングシミュレーション結果

 チャートを見ていると、RSIの売られ過ぎを20、買われ過ぎを80にした方が精度が高まり、リターンも大きくなる印象を受けます。そこで、20、80もテストしてみました。結果的は、勝率は上がりましたが、利益は減少しました。
 これは精度を求めた分、トレード回数が減少し、リターンが減ってしまったのだと思われます。

表 RSIの買われ過ぎを80、売られ過ぎを20にしたトレーディングシミュレーション

2.3 テクニカルトレードのシミュレーション結果
 以下にはテクニカルによるトレードの結果を示しました。試した手法では逆張りが有効であったようです。また、勝率を挙げるために精度を上げたものでは、勝率は狙い通り上がりましたが、トレード回数が減少し、リターンの絶対値は減少しました。
 また気になる点としては、ここ最近、どちらの手法もリターンが挙げられなくなっている傾向です。これは、アルゴリズムトレーディングの発達などの影響もあるのかもしれません。
 ここでは単純化のため、シグナルが一度出るとポジションの保有を継続するという形を取りました。この次の段階として利食い、ロスカットのシミュレーションなどを行います。

表 シミュレーション結果

3.人工知能(AI)
 巷では機械学習や深層学習が話題となっています。これらは大量のデータを読み込み、そのデータから学び、結果を導き出すというものです。
 今回は単純に先物の4本足を読み込み、それを基に売買を行うとどうなるかということを試してみました。利用したのは決定木というアルゴリズムで、先物価格は2007年1月からのものを利用し、前の2522日分を学習データ、残りの100日分をテストデータとしました(教師あり学習)。
 トレードの決定方法は、トレード前の何日かのデータを読み込みその日の売り買いを決め、寄付きでポジションを作り引けで手仕舞うという方法です。それを10回繰り返して結果の平均を見たのが以下の表です。
 結果としては20日以下のデータだと50%近辺ですが、20-40日分のデータを見て売り買いを決めるようにすると、勝率が高くなるようです。今後はもう少し精度が上がるよう、テクニカルなどを組み合わせることや読み込むデータに日経平均先物以外のものを使うなどを試したいと考えています。
 
表 勝率とデータ数(日経平均先物)



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