トランプ大統領の議会演説は無難なものに。市場はFOMCの3月利上げを織り込む動きに(2017年3月1週)


今週の市場動向

今週の日経平均株価は前週末比+0.96%の19,469円で取引を終えました。注目されたトランプ大統領の議会演説は、落ち着いた内容となり好感され、米国のダウ平均は21,000ポイントに乗せる展開となりました。日経平均株価も米国の株高を好感し、19,660円まで上昇する場面もありましたが、株価は伸び悩みました。

株価伸び悩みの原因とみられるのが、米国の3月利上げの可能性です。2月末辺りまでは30%台と見られていた3月利上げの可能性ですが、FRB高官のタカ派的な意見が相次ぎ、足元では90%弱利上げの可能性があると見られます。株式市場はこの動きを織り込みに動いているため、若干上値が重い展開になっていると見られます。

セクター別では海運、ガラス・土石、証券・商品の上昇が大きく、鉱業、不動産、パルプ紙が下落しました。スタイルインデックスでは小型株が強く、マザーズ指数、東証2部指数の上昇率が大きくなりました。下落したのはREIT指数のみとなりました。米国の債券市場で政策金利引き上げを織り込む動きから、金利が上昇したことがREITが売られる要因となりました。


日本の経済指標では、鉱工業生産(1月、前年比)が+3.2%と、前月と同水準だったものの、予想を下回りました。住宅着工(1月、前年比)は+12.8%と前月の3.9%を大幅に上回りました。法人企業統計調査の設備投資は+3.8%と前回の-1.3%と予想を大幅に上回る数値となりました。全世帯家計調査支出(1月、前年比)は-1.2%と減少幅が大きくなりました。

中国の製造業PMI(2月)は51.6と前月の51.3から伸びが見られました。中国の製造業の業況の回復は世界的な景気の回復につながるため、好感されました。米国の個人所得(1月)は+0.4%、個人支出(同)は+0.2%となりました。所得は若干増加ペースが上がったものの、支出が低下している点が気にかかります。ISM製造業指数(2月)は57.7と前月の56を大きく上回り、米国でも製造業が堅調であることが示されました。

日中米の経済指標を合わせて考えると、製造業の業況は好調ながら、人々は財布のひもを固く締めていることが分かります。トランプ大統領が実際に政権に就くことに対する人々の不安心理が、一時的に表れているのかもしれません。

今後の見通し

無難に終わったという評価のトランプ大統領の議会演説は、一方で具体的な内容はどこにもないというものでした。そして次に市場はFRBの利上げを織り込みに動くと考えられます。その点で今晩のイエレン議長の講演は非常に注目されます。これを受け株式市場はどちらに動くのか、そしてその動きが当面の市場の流れとなると見られます。

米国市場の証拠金債務は、これまで最も残が多かった2015年6月の水準を超えてきました。金利の上昇と共に債務が減少に向かう可能性があり、そうなると、米国株の上値が重くなるということも考慮しておきたいところです。


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