米国株動向


連日で最高値を更新している米国株の動向を見てみます。
以下のチャートは上がS&P500指数の終値、緑の線が年率ボラティリティ(60日)となっています(2016年1月以降、日足)。株価は順当に上昇しています。ボラティリティは年初の下落と、Brexitにより上昇する場面がありましたが、トランプ大統領就任以降は低下が継続し、就任後の12%越えの水準から足元7%を割り込む水準となっています。
下のチャートは売買高です。一目見てわかるのは、高値を更新している割に、出来高はあまり増加していないということです。通常高値更新時には一時的にでも出来高が増加するのですが、これを見ていると、トランプ氏当選直後の11月にもそれほど出来高は増えておらず、どちらかというと、淡々と高値を更新しているように見えます。

次に株価水準についてみたいと思います。ここでは普通の予想PERとCAPEレシオというものを使います。CAPEレシオというのはエール大学のロバート・シラー教授と、ジョン・キャンベルが公式に定義した、インフレ調整を行った10年平均の利益を利用したPERで、景気循環を考慮したPERと言われます。

CAPEレシオとS&P500の長期の動きを見たのが下のチャートです。2月初頭のCAPEレシオは28.66と高い水準になっていることが分かります(データはロバート・シラー教授のページより http://www.econ.yale.edu/~shiller/data.htm )。

もちろん、PERは市場のタイミングを計るものではなく、何とも言えないものなのですが、高水準にあるということは気にかけておくべきでしょう(参考 いつまで続く米国株強気相場-高すぎるシラーPERは何を意味するか (ブルームバーグ2016年12月30日) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-30/OIZ8X96TTDSB01)。

 

単純な予想PERはどうなっているのかを見たのが次のチャートです。現在の水準は18倍程度とこちらも歴史的水準でみて、安いとは言い難い水準にあります。しかしチャートで示されている期間中のPERの平均は16.6倍となっているため、割高とも言い難いという難しい水準です。

株価に関しては、今後利上げのペースが上がり、資産購入も再投資が減少されていくという環境がどのようなインパクトを与えるか考えるもの一つの重要なポイントであると見られます。

その他細かい話題ですが、昨日の米国市場では株価が上昇したにもかかわらず、オプションのボラティリティが上昇するという動きが見られました(通常は株価が上がるとボラティリティは下がる傾向にある)。

この動きが継続するのかどうかというのは、今後観察していかなければいけないところですが、このような動きは実はアベノミクス初期の日本市場でも見られました。株価が上がりながら、ボラティリティも上げる。これは、大口のコール買いがあり、そのヘッジが行われたとその時は推測されていました。その動きのヘッジにより、市場の上昇が起こったというようなこともありました。しかし、それらの買いが終わると相場が急落したということもあったため、この動きをどのようにとらえるべきかは、今後観察していきたいところです。

 

トランプ大統領当選後の米国の業種別指数動向

ここからは大統領選後の米国のセクター指数を調査します。利用するのはS&P500指数の11業種です。11月以降のそのパフォーマンスを示したのが以下の表です。

上昇が大きいのは、金融+24.5%、資本財・サービス+15.1%、素材12.8%、上昇が小さいのは公益+0.7%、生活必需品+3%、不動産+3.6%です。

投資家は規制緩和、インフラ投資に期待して資金を移動させている反面、金利上昇の悪影響を受けるセクターから資金を逃がしていることが分かります。

ちなみに同期間のS&P500指数の上昇率は10.7%となっており、これを上回ったのは4セクターとなります。

 



 

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