光世証券ホーム > ザ・対談 第3回

わからない、難しい…。 でも、プロがサポートしてくれるから、 個人投資家も必ず活かせる。

PROFILE
樋爪 功次
ひづめ こうじ
大学卒業後、光世証券に入社。常に営業の第一線で活躍し、現在もコンサルティンググループを統括する立場として顧客からの相談に懇切丁寧に対応。ここ数年の株価が下落基調の中でもデリバティブを活用した資産運用アドバイスが功を奏して、更に信頼を勝ち得ることができたという。
井澤 郁恵
いざわ いくえ
大学卒業後、東京証券取引所に入社。派生商品部、渉外広報部などを経て現在マーケット営業部において株式市場やデリバティブ等の東証上場商品について、投資家への認知度向上や知識教育に奔走中。投資家向けセミナーなどの企画運営に多忙な日々を送っている。
【座談】
光世証券株式会社 コンサルティンググループ部長代理
樋爪 功次

株式会社東京証券取引所 マーケット営業部 調査役 
井澤 郁恵

(聞き手: みんかぶ 小松俊一)

株式投資をしているなら、
『かぶオプ』にも注目してほしい

――“デリバティブの最前線”でご活躍中の樋爪さん・井澤さんには、取引の仕組みや実際の商品について、より具体的なことをお聞きしたいと思います。
 多くの投資初心者にとっては「何から勉強すればよいのかわからない」というのが正直なところだと思います。商品の数もとても多いようですし……。

井澤 井澤仰るとおり私ども日本取引所グループが扱うデリバティブとしては、たくさんの商品があります。よく知られているのは、東証株価指数TOPIXや日経平均といった代表的な指数に対する先物取引ですね。また、日本国債に対する先物とそのオプションも、よく利用されているデリバティブです。
 その他、すでに株式投資を行っている皆様にはぜひ注目していただきたいのが、「個別の株式銘柄に対するオプション取引」。今後の成長が特に期待されているデリバティブ商品のひとつで、『かぶオプ』という愛称で呼んでいます。

 ――個別株と仰いましたが、具体的にはどんな銘柄が対象になっていて、どれくらいの数があるのでしょうか?

井澤 現在153銘柄の株式に対する『かぶオプ』があり、ソニー、トヨタといった個人投資家の皆様によく知られている銘柄はだいたい網羅されていると思います。それぞれの株式に対して、“コールオプション(買う権利)”と“プットオプション(売る権利)”の2通りの取引があり、さらにいくらで買う、売るという“権利行使価格”と、いつ買う、売るというオプョンの満期日である“限月”の違いがそれぞれありますので、かぶオプの銘柄数というと膨大な数になります。

 ――その複雑さが、初心者には最初のハードルです。

井澤 “数が多い”=“選択肢の多様さ”という点こそ、投資家にとってのメリットです。ことに個人投資家は、投資目的も資金の性質も取れるリスクの上限も、人によって千差万別。デリバティブを活用すれば、豊富な選択肢の中からそれぞれの事情に合致した戦略を細かく選べます。さらに、株式投資にかぶオプを合わせることで、株式投資のみよりも多くの利益を期待できる戦略もあり、きっと皆さんそれぞれの投資ニーズにあったかぶオプの活用法があると思います。だからこそ、知らないのは損です。ぜひ多くの方に興味を持っていただきたいですね。

数100倍に値上がりする
ラーメン屋さんの割引券!?

 ――「そもそも“オプション”って何?」という人も少なくないと思います。
オプションの日本語訳には“選択”とありますが。

井澤 その通りです。“権利”と言い換えると、よりわかりやすいのではないでしょうか。
 金融商品のオプションというとわかりづらい、複雑だと思われがちですが、実は、皆さん、暮らしの中でオプションを結構利用しているんですよ。
 たとえば、中華料理屋さんで一杯600円のラーメンを食べると「次回来店時は500円。年内有効!!」といった割引券をもらったりしますね。これがオプションです。「600円の価値があるものを、一定の期間内に、将来、500円で買える権利」というわけです。これは、かぶオプのコールオプションに似ています。

樋爪 井澤このラーメンが評判を呼んで店主が値上げを断行、一杯700円になったとします。すると“一杯500円券”自体が「差し引き200円の価値を持っている」ということになりますね。こうなると「現金で50円出すから割引券を譲ってほしい」という人が現れたりする。割引券=オプション自体が売買される投資商品と化したというわけですが、このオプションはラーメンという現物から派生したものです。これが“金融派生商品”といわれるデリバティブの成り立ちです。
 オプションも上がったり下がったりします。たとえ話を続けると、ラーメンがさらに値上がりして750円になると、「ならば割引券を150円で買っても、まだ得だ」という話になりますね。時価750円のものを500円で買う(コールする)オプションだから、こういう取引を「コールオプション」と呼ぶのですが、ここで注目すべきなのは、現物(ラーメン)の価格は25%しか上がっていないのに、オプション(割引券)の方は3倍に急上昇しているという点です。さらに、オプションの有効期限内に現物の価格がまだまだ上がりそうな期待が持てる状況なら、オプション価格はさらに上昇する可能性もあります。
 実際の株式投資の場合でも、上がっている株のコールオプションは、何倍にも跳ね上がる可能性があります。

井澤 株価がいきなり何倍も上がるということは滅多にあることではありませんが、オプション価格においては珍しいことでもないんですよ。場合によっては、何10倍、何100倍に達することもあります。

 ――何100倍ですか!? キツネにつままれたような話ですが……。

樋爪 先程の“ラーメン割引券”のたとえ話でいえば、元々はサービス品でタダだったオプションが、時間の経過とともに、50円になり、150円になったわけです。現物の価格が上昇し続けている局面では、オプションもさらに上がっていくでしょう。「場合によっては何100倍にも上がる」というのは、こういう理屈です。

 ――とはいえ、素人には、とても選べるものではなさそうです。

樋爪 そこをサポートして、お客様のニーズを細かく伺いながら的確にアドバイスするのが、私ども証券会社の役割です。
 業界に先駆けて『かぶオプ』に取り組んできた当社には、実践ノウハウの蓄積があります。豊富な取引実例を引きながら、お客様にアドバイスできる点は、当社ならではの強みだと思っています。

“動かない株”で利益をめざす
「カバード・コール」

 ――“ラーメン割引券”のたとえ話はとてもわかりやすかったですが、もう少し実際的な『かぶオプ』活用法を教えてください。

樋爪 実際に使われる『かぶオプ』の戦略例のひとつに、「カバード・コール」があります。これは“カバコ”の略称で親しまれて、デリバティブを活用している投資家の間ではお馴染みの手法です。

井澤 カバコは、現物株式をすでに保有している投資家が「先行きの株価があまり変動しない」と予想する場合に、運用利回りの向上をめざして活用する人気の戦略手法です。

 JPXでも、このカバコ戦略から「かば子」ちゃんというカバの女の子のキャラクターを立ててかぶオプを推進しています。

樋爪 カバード・コールとは、現物を保有しながら、その現物を原資産とするコールオプションを売る戦略のことです。株取引をしている方ならご承知のとおり、少し前まで株式相場は「動かない」局面にありました。こんな場合にカバコを利用すると、動かない(=売れない)株式から利益を得られる可能性が出てきます。
 たとえば、時価1000円の現物株式を保有している場合、相場が動かない局面では、保有株式そのものを市場で売っても利益は出ません。そういうときは、現物を手元に保有しながら、“1200円のコールオプション”だけを売るのです。

 ――「“1200円で買う権利”を他の投資家に売る」ということですね?

樋爪 そうです。このオプションが仮に50円で売れたら、売主は50円の“プレミアム”を得ることになります。これは現金で売主の手元に入ってきます。

 オプションが満期日を迎えたとき、株価が権利行使価格である1200円を上回っていれば、買主は1200円を支払って、売主から株式を受け取ります。50円のプレミアムを受け取っている売主は、この義務に応じなければなりません。

 しかし、満期日の時価が権利行使価格を下回っていたら、買主はオプションを放棄するでしょう。わざわざオプションを使うより、現物市場で買うほうが得だからです。

樋爪 買主がオプションを放棄した場合、売主の手元には、売らずに済んだ株式と、買主がすでに支払ったプレミアムが残ります。売主から見ると「動かない保有株が、50円の利益を生み出した」というわけです。

「プットオプション」の買いは、
リスクヘッジに効く“株保険”

樋爪 コールオプションとは逆に、プットオプションという取引もあります。

 ――「将来、売る(プットする)権利」ですね?

樋爪 たとえば「時価1000円の株式を800円で売る権利」のようなオプションを組むこともあります。「それでは逆ザヤじゃないか!?」といわれそうですが、実際にこういうオプションに、10円とか20円の値が付くのです。
 何かの拍子に時価が700円に下がってしまった場合、10円で買ったオプションを行使して株式を800円で売却できるなら、損失を90円分はカバーすることになりますから。

 ――なるほど、いわゆる“リスクヘッジ”ですね?

樋爪 ご明察!! また、たとえ下がり基調が続いても、「できれば持ち続けたい」というケースはあるものです。たとえば「株主優待に魅力がある」という場合ですね。中には「何年か保有し続けていないと、せっかくの優待が受けられない」という銘柄もありますから、少々下落したからといって、おいそれと手放すわけにはいかない。
 そんなとき“プットの買い”を入れておくと、資産の目減りを抑制できて安心です。

井澤 東証では、このようなプットオプションの買い戦略を“株保険”と呼んでいます。『かぶオプ』を使ったオススメ戦略のひとつとして、専用ご案内サイト「かぶオプ ナビ」
http://www.tse.or.jp/kabuop/index.html)でも詳しく紹介しています。

“消極的な買い”から利益を上げる
「ターゲット・バイイング」

 ――でも、700円にまで下がってしまった株を、誰が800円で引き受けるのですか?

樋爪 800円のプットオプションを売る、つまり「800円以下になったら800円で買う」という“戦略”を10円とか20円のプレミアムで売っている投資家がいるわけですよ。“プットの売り”です。

 ――「“売る権利”を売る」ということですか?

樋爪 自分の“購入希望価格”を、相手方の“権利行使価格”とするプットを売却するということです。このオプションを売る側=株式を買う側の立場で見ると、購買価格(ターゲット)をあらかじめ決めておく手法だから、“ターゲットバイイング”と呼びます。
 ターゲットバイイングでは、株価が“購入希望価格”よりも値下がりしないと株式は手に入りません。時価のほうが高ければ、株主はオプションを放棄するからです。しかし、受け取ったプレミアムはまるまる利益になります。
 株価がターゲットを下回った場合は、時価より高い値段で買うことになりますが、もともと800円でなら買ってもいいと思っていたものが、プレミアムとの差額790円で入手できたのだから、これもまたメリットです。

 ――普通の“指値買い注文”とは違うのですか?

樋爪 リスクをとって株を買う以上「2〜3割のキャピタルゲインがほしい」というのが投資家の心理です。普通に指値買いしても配当利回りは期待できますが、こちらはせいぜい数パーセント。キャピタルゲインを狙うなら、せめて1〜2割は上がる期待が持てないと、積極的にリスクをとる意味は薄れてしまいます。
 ターゲットバイイングは、「将来、株価が下がれば購入したい」と考えている株式があるとき、すなわち「買いニーズが消極的」である場合に有効とされる戦略です。

 株価が権利行使価格を上回っている間は、株式を買うことはできません。しかし、その間もプットを売り続けていれば、プレミアムが積みあがっていきます。

 実際、2012年11月までの相場低迷期では、ターゲットバイイングは、キャッシュの運用法として盛んに活用されました。配当利回りが高い銘柄をターゲットとしてプットオプションを売り、プレミアムを稼ぐわけですね。株価が下がって株式を取得することになっても、高利回りの銘柄なら配当が楽しみになります。

金利変動に備える「国債先物」
「ミニ国債」なら、個人にも手が届く!?

 ――『かぶオプ』は、保有している現物株式とセットで活用するデリバティブですね?すでに株式投資を始めている人には、まだしもイメージしやすいと思います。その一方で、デリバティブには、国債を利用するものもあるんですよね?

井澤 「国債先物」は、日本国債に対する先物取引であり、実際に国債を保有している銀行などがメインプレーヤーで彼らのリスクヘッジにはなくてはならないマーケットです。プロの投資家がメインプレーヤーなので、とても巨大な市場でありながら、一般の方にはこれまであまり馴染みがありませんでした。しかし、2年前からこの商品が個人投資家の皆様にも利用しやすくなっております。従来の国債先物取引の投資単位を10分の1に小さくしたミニ国債先物取引が登場しまして、光世証券さんでなら、このミニ国債先物を個人投資家様でのお取引ができます。

樋爪 国債の価格が何によって決まるかといえば、長期金利です。金利が下がると国債は上がり、金利が上がると国債は下がる。つまり「国債先物」は、金利変動リスクをヘッジするのに有効なデリバティブということです。

 たとえば「事業資金を借入金で賄っている事業主」なら、「ミニ国債先物」を使えば、金利上昇で発生する損失を、国債の売りで補うことができるでしょう。

 ――なるほど。本来“プロ向け”といわれた商品でも、特性を理解して活用すれば、個人投資家の役に立つというわけですね。しっかり学んで活用できるようになりたいものですが、でも、独学には、やはり限界がありそうです。

樋爪 光世証券では、取引所とのコラボレーションによる「国債先物セミナー」などの勉強会を実施しています。昨年は、為替トレーダーの藤巻健史氏をお招きして開催しました。今年はこの4月20日に、『小説ヘッジファンド』『日本国債』といったベストセラーで知られる経済小説家の幸田真音さんをお招きし、大阪の本店で開催する予定。参加定員は約150名です。ただいま参加申し込み受付中!!
 「大阪までは出向けない」という方のためには、WEB上の“プライベートセミナー”
http://www.kosei.co.jp/cgi-bin/kobetsu_seminar.cgi)を設けました。WEBからお申し込みをいただきますと、光世証券のアドバイザーが個別相談に応じます。

 

井澤 証券会社のサポートは積極的に利用した方がいいと思います。入門書のページをめくりながら思い悩むより、証券会社の方に直接相談に乗ってもらったほうがお一人おひとりの状況の応じた戦略を教えてもらえるので、デリバティブをより上手に利用できるからです。光世証券さんは、ミニ国債先物もかぶオプも両方アドバイスをしていただける数少ない証券会社様です。ぜひご活用いただければと思います。

(了)